『自分と子どもを放射能から守るには』 2
ウラジミール・バベンコ
ベルラド放射能安全研究所著より
放射能から体を守るには、バランスの良い食事を摂ること。
(ネズミの実験では、放射線を照射した餌を多く与えた方が
発がん率が高くなっています。満腹と少食の差)
キッチンでできる食品放射能の減らし方
汚染のひどい食材は、工夫しても食べられない
事故から17年経っても、子どもが被曝する原因の90%が
食べ物からです。
調理を工夫すれば減らす(暫定基準の数倍までなら)ことができます。
放射性セシウムは 「水に溶けやすく、油脂類とは結合しない」
特徴があります。
野菜・果物・穀類
1、表面を水でよく洗い、皮をむく(5分の1~2分の1に減少)
トマト、きゅうり、ナス、アスパラガスなども皮をむく
2、放射能がたくさんある部分を取り除く
3、蒸す、ゆでる(よく洗って皮をむく)
野菜
(キャベツ)表面の葉を3、4枚取って捨てる(40分の1にまで減らせる)
(にんじん、かぶ)地上部分に出ている茎や葉を取り除く(20分の1~
15分の1に減らせる)
(ねぎ、玉ねぎ、にんじん、大根)葉茎、根の部分を大きく切り落とす
(1~1.5センチ)
(じゃがいも、トマト、きゅうり)流水でよく洗う(7分の1~5分の1
に減る)
さらにじゃがいもの皮をむくと(放射能が2分の1に減る)
1、切ったり、皮をむいた野菜は、再度流水で洗う
2、野菜は塩水漬けや酢水漬け(マリネ)にするとさらに流れ出る
(汁は必ず捨てる)
3、ゆでこぼす
穀類(小麦・大麦・ライ麦・えん麦)
籾殻を脱穀して取り除く(15分の1~10分の1に減らせる)
きのこ狩りやベリー摘みは、森の放射能を確認してから
野生の植物は大変汚染されています。
森の地面に積もった落ち葉が放射能を受け止めているから。
落ち葉上部の3~5センチ部分に放射能が多く含まれている。
樹木の皮、枯れ木や枯れ枝、苔、地衣類、ベリー類、きのこ
からも高い放射線量が検出されています。
1、笠の上部の表面を薄く削る
2、よく洗ってから2%の塩水に数時間さらす(水は捨てる)
3、ゆでる(15分~1時間かけてゆでる、15分おきに2%の塩水を替える。塩水に酢あるいはクエン酸を加えるとさらに放射能除去効果が上がる)
4、洗わずに乾燥(濃縮)させると放射能値が上がる
牛乳
牛乳は加工(ホエー、乳清に溶けている)して放射能が減少。
牛乳の放射能を1とすると、ヨーグルトも1
肉・魚
動物の柔らかい組織、肝臓(レバー)や腎臓に蓄積しやすい。
野生動物の肉(放射能を濃縮)は要注意です。
セシウムは骨には殆んど溜まりませんが、放射性ストロンチウムは
硬骨部分にたまりやすく、一度蓄積するとなかなか排出されない。
骨を煮出すと流れ出るので、スープは飲まない方がよい。
脂身のような脂肪部分は、放射性物質の蓄積がもっとも少ない。
(化学物質等はたまりやすい)豚肉の方が牛肉や鶏肉に比べて
蓄積される放射能は少ない。
1、小さめに肉をぶつ切りにする
2、2%の塩水に12時間以上肉をさらす
(水に酢かビタミンCを少し加えると、肉からのたんぱく質の
流出を防げるが味が落ちる)
3、8~10分沸騰した状態でゆでると、半分の放射能が肉から
出ていく(茹で汁は必ず捨てる)。
肉と同様に、魚もセシウムが蓄積しやすい内臓部分や頭部、
えら、皮は取り除く。
ストロンチウムが蓄積しやすい骨も取り除く。
骨やアラでスープをとることも避けた方がよい。
肉と同様に2%の塩水に12時間さらしてから料理に使う。
ゆでると放射能が減らせる。
貝やえび
貝や甲殻類のえびなどに取り込まれやすいストロンチウムの
除去には、塩水で洗うと効果があります。
ストロンチウム90は水洗いで10~30%、3%の塩水で
30~70%が除去(日本の研究)。
水底の穴の部分や海底の岩のくぼんだところに放射性物質が溜まり、
そこに生える海草や藻は放射能を吸収しながら生長。
その海草や藻を食べる草食性の魚→肉食の魚(食物連鎖)で
放射能の濃度が高くなる。
骨や内臓は食べず、身は下ごしらえをして食べる。
小魚はカルシウムなどの栄養成分を含んでいるので食べる。
カルシウム不足でスカスカの骨には、ストロンチウムは
入りやすい。固い骨に取り込まれたストロンチウムの排出は困難です。