一つの道がある。



どこまでも真っ直ぐ続くなだらかで舗装された道。



空は青く晴れ、雨が降る気配もない。



きっと誰もがここを選んで歩くのだろう。



わざわざ狭くて舗装されていないデコボコ道を選ぶ者はいない。



雨が降れば途端にぬかるんで歩けなくなるだろう。



だけど……。



安定した道でもデコボコ道でも、その先の見えない曲がり角や坂道は誰にもわからない。



もしかしたら真っ直ぐな道でも、崖崩れや事故、通行止めもあるかもしれない。



もしかしたらデコボコ道でも、その先に穏やかな見晴らしの良い景色が見えるかもしれない。



誰にも未来はわからない。



誰にも予測は出来ない。



だから……。



僕は君と歩くんだ。



君とデコボコ道を歩くんだ。



君となら歩いて行ける。



僕が望んだ道だから。