いつも見る風景がいつもと違って見える。



なんでもない、どこにでもある風景なのに。



今まではどこか尖って見えたのに。



今は少し、柔らかい色をしている。



それは僕が恋をしたからだろうか。



君を想い浮かべるからだろうか。



君が笑い掛けてくれるからだろうか。



胸の高鳴りと、ほんのちょっとの嫉妬。



それだけでいつもの風景が何色にも変わって見える。



だから、お願い。



君の愛する人を横に置いて、僕に囁かないで。



哀しい色に変えないで。