人生には自分ではどうしようもない

避けようの無い波が自分を飲み込む時があります

波は容赦なく小さな身体を飲み込み

真っ暗な闇の世界へと引きずり込みます




15の春

中学3年生

修学旅行


楽しい思い出作り


修学旅行を終え

バスが学校に着く間際


担任の先生が私に言いました


『お母さんが交通事故に遭われました。心配しなくて大丈夫だからとお家の人が言ってました。』


『はい』


母は以前にも交通事故に遭った事があるので

心配しなくていいと言う言葉に

私は安心し

きっと家に帰ったら

手に包帯を巻いた母が

笑顔で『おかえり』と言ってくれると思ってました。


家には

京都に居るはずの姉と

いつも自分勝手に飛びまわって

寝る時以外は家に居ない父が

ヤケにニコニコした笑顔で待っていました


『おかえり』

『行こうか』


どこに?

お母さんは?


『病院』


修学旅行から帰って

直ぐに病院に連れて行かれた。



そこには

ビニールのカーテンに覆われてたベッド


その中で

酸素マスクをし

意識は薄く

脚は天井から吊るされた


なんかドラマの一シーンのような

光景が目の前にありました



ビニールの中に入るように促され

恐る恐る母の頭元へ



母は小さな声で

『おかえり』

『修学旅行楽しかったか?』

うん!

『良かった』

お土産いらん言うたし買ってきてないで

『それで良い』

『楽しかったやったらそれです良い』


母は苦しいながらも

私の手を握り

笑顔で話してくれた



ここから

私の第一期

波乱の人生が始まるのでした





人生には自分ではどうしようもない

波が容赦なく小さな身体を飲み込む事があります


少し私の人生を振り返ってみたいと思います。