4月の前半は、
毎日疲労がたまりつつも
それなりに
私も生活のペースが
できつつあった。
不思議なもので、
生活に変化があったとしても
時間が経てば
その生活に人間は順応しようと
していくのだなと思った。
4月の半ばを過ぎて
父の定期検診の日になった。
主治医から
「少し白血球の数値が気になる」
と言われた。
白血球が増えていた。
久しぶりに一度骨髄検査をしてみましょう
ということになった。
私は嫌な予感がした。
数値もそうだけど、
たくさんの血液の病気の患者を
診てきた先生の反応が
今までとは少し違うように
感じたからだ。
父がその先生に
診てもらうようになってから
もう4年目に入っていた。
だから
先生の口ぶりで
何となく父の体に
変化があるのではないかと
私は思った。
骨髄検査を受け
少し久しぶりに
骨髄異形成症候群の治療薬である
ビダーザを開始した父。
やはり
その間にも白血球の数値は
上がり続けた。
先生からは
急性骨髄性白血病に以降したと
はっきり言われたわけではなかった。
やっぱり少し増えてきてるので
一度入院して、
もう一つ薬を増やしてみましょう
とのことだった。
薬がよく効くと思いますよ
という言葉を受け、
入院だけは嫌だと言っていた父も
入院することに納得した。
入院する日を決めることになっていた
次の検診の日の前日
朝から父は体の調子が悪いと言っていた。
病院に電話をしてくれという父。
よほど体が辛かったのだろう。
父は自分から
入院することを望んだ。
そして、
その日から父も入院することになった。
母のリハビリ病院とは違う病院なので、
父と母は
それぞれ別の病院に入院することになったのだ。
両親とも入院という家庭は
あるとは思うけれど、
私自身は
とても珍しいことになってしまった
という感想だった。
1週間ぐらいの入院だと思っていた父だが、
結果的には約1ヶ月の入院となった。
私にとっては、
ようやくつかみ始めた生活のペースが
そこでまた変化することになった。
庭の花だけが
とても綺麗に咲き乱れていた。