The Soft Bulletin

The Flaming Lips「The Soft Bulletin」

リリース : 1999年5月17日
レーベル : ワーナーブラザーズ
ジャンル : ネオ・サイケデリア、スペース・ロック、エクスペリメンタル・ロック
国 : アメリカ

今回はアメリカのロックバンド、フレーミング・リップスの9thアルバム「The Soft Bulletin」です。バンド側の自己改革と実験への意思とデイヴ・フリッドマンのスタジオ錬金術が結びついて、フレーミング史上、美しいポップミュージックが完成した作品です。一言で言うと、このアルバム、「切なくて温かいサウンド」です。

まず、1曲目「Race For The Prize」イントロの何ともいえないシンセ?のメロディーにやられてしまいます。なんて美しく懐かしくなる曲なんだと思ったら、ヘタウマなヴォーカルが登場! (笑) 何とも味のある声や歌い方なんですよね。それでいて、泣きのメロディーだから、なおさらです。ポップだから聴きやすい!ので初めての人も心に残りやすいと思いますね。そこらへんが凄いんだよな~。

続く、その他の曲も全体的に切なくなるほどのサウンドにポップなメロディーを終始貫いています。「青春の甘酸っぱさ」って言ったら恥ずかしいけども、そんな形容がぴったりな曲調だと思いますね。ドラムサウンドとか学生アマチュアバンドのカセット録音な感じがして、なおさらです。落ち着いてきた大人な方にお勧めですね。夏の終わりなんかに聴けばグッとくるものがあります。僕も夏に時々聴いていました。いや~、懐かしい!(笑)

それと同時に、「The Observer」のバスドラなんかは胎児の鼓動を思わせます。生まれてくる子供への母親の愛とも言えるサウンドですね。もはや究極のノスタルジーがそこにあります。ホーンやストリングス、ハープなど、もはやバンドサウンドを超えて構築されたサウンドスケープは、懐かしの地平線を心に重ねずにはいられないです。

ちょっと似たような曲が多いのが、玉に瑕だけど、そこに捨て曲はありませんね。ロックがロックだった、全てが愛でくるまれた時代の欠片を感じる事ができます。是非、ノスタルジックで無限のサイケデリアを感じてみてください。心に安らぎを求めてる、ポップ好きな人にお勧めです!個人的にはベースの音に癒されてます。ドゥーン!(笑)