Screamadelica

Primal Scream「Screamadelica」

リリース : 1991年
ジャンル : オルタナティブ、アシッド・ハウス、サイケデリック・ロック

前2作(個人的には好き!)が売れず、このままじゃどうにかしないとヤバいぜ的な状況のボビー・ギレスピーが、アンディ・ウェザオール、アレックス・パターソン、ジミー・ミラーなどのプロデューサーの力を借りて、作り上げた作品です。当時、乗りに乗っていたアシッドハウスムーブメントを取り入れ、時代を切り裂きました。それゆえプライマル・スクリームこそが時代であったと言ってもいいでしょうね。

当時、ストーン・ローゼズやハッピー・マンデーズらが、レイヴやアシッドハウスなどを一生懸命搾取していた時に、ロック・フィールドからやって来たプライマル・スクリーム。プライマルは立ち位置的に、その100m遠くから見ることでシーンの全体像を掴んだことにより、別の方法で一枚のアルバムに表現することが出来たんだと思います。

ただ、時代的であったためか、当然のごとく大ヒットしたため、プライマルといえば「Screamadelica」という方式が出来上がってしまい、これ以降はその亡霊と戦うことになります。まさに霊が宿った諸刃の剣を手にしたのです。それはプライマルにとって幸か不幸かは誰も分かりませんね。しかし僕は良い結果だったと思います。アルバムごとに作風を変えることで有名なプライマルですが、知らないうちに、これはその布石になったかなと思いますね。

憧れのストーンズを意識したゴスペルハウス「Movin' On Up」で幕を開け、13th Floor Elevatorsのカヴァー「Slip Inside This House」や後のテクノシーンを予感した「Don't Fight It, Feel It」で盛り上がったところで、幻想的な名曲「Higher Than The Sun」でトリッピーな気分にさせられ、10分22秒に及ぶ「Come Together」の恍惚で、最高潮にハッピーな気分に。そして数々の夢を見た後は「Shine Like Stars」で、チルアウトに終了。そして、少し余韻が残ります。でも、余韻に浸っている場合ではありませんよ。それを枕に寝ようじゃありませんか。また新たな夢が見れそうです。新しい時代の誕生です。まさに、星のように輝いた時でしたね。なんつって!(笑)

曲の寄せ集めでアルバムを作ったらしいですが、そんなんどーでもいーじゃん!ってな感じで、最高にサイコ!な感じになりますね。(笑)確かに、そうゆう雰囲気がこのアルバムにはあります。このアルバムは、サウンドの幅広さだけでなく、アルバムに内包されてる数々のフィーリングからも、当時のイギリスの若者やプライマルをはじめ、様々な夢を感じとれると思いますね。もちろん純粋に聴くだけで楽しい気分になります。リズミカルであれ、緩やかであれ、体が勝手に揺れます。これこそがダンスミュージック。小難しいことはロッカー (Locker, Rocker) に預けて、さぁ一緒に踊ちゃおうぜ!(笑)