伯母さん | ふわふわ

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『双極性障害(躁鬱病)』で、躁の時は喜怒哀楽だだ漏れ、鬱のときは引きこもりな【腐】印のオバサンの呟き。

雪国で独り暮らしの伯母から

このところ連日「久しぶり」と電話がかかってくる。

 

しばらくかかってこなかったのだけれど、

テレビのニュースのコロナ報道でまた心配になったよう。

ありがたいこと。

 

近年は昔ほど雪が降らなくなったので

お金を払って雪下ろしの人手を頼むことも

少なくてすんでいて助かる、

などと話していたのだけれど

いきなりの大雪の報道にこちらからかけてみようかと思った矢先

定時連絡のように伯母からかかってきた。

 

何の話をしてもしっかりした受け答えで話が弾むのだけれど

「昨日も電話で話した」ことや

「今日の空模様」などは

覚えていられないようで、

結局最後は「雪は降ってない」ってことで話が収まってしまった。

 

従兄たちは「おふくろがばかになった」と

嘆きや苛立ちを直接伯母にぶつけるけれど

私の両親や舅・姑の晩年を思えば

全く何の問題もない範疇だと思えてしまうのは

「遠くに住んでる姪」という距離感のせいなのだろうけれど。

 

 

私の母は、私や弟の顔立ちや性格が

身内の中の誰に似ているとかいうことを盛んに言う人で

私と母は顔も性格も似ていなくて

顔立ちに至っては「両親の悪いところを集めてきた」と言われ、

性格も「あんたは誰に似たんだか」と、

あきれるとか残念がるとかいうフレーズでよく言われていた。

 

そんな私はある日、

思ったことを素直に口に出してしまった。

「私の性格とか考え方ってお母さんより伯母さんに似てる気がする」

高校生くらいだったか、もうだいぶ大きくなってからだったと思うけど、

愚かで無邪気なもんだ。

母は火が付いたように怒った。

「あんな働き者の立派な人と

あんたみたいな怠け者を一緒にするんじゃない!」

ま、その通りなんだけどさ。

 

 

伯母と電話で話してて

そのことをふと思い出した。

「あたしも随分頑張ったからさぁ、

もう楽してもいいと思うんだよね。

自分で自分を誉めてやろうと思って。」

「毎日テレビの守りしてるようだけどさ、

これがまたいいんだわ。」

アクティブな人だったのが

足腰が悪くなって毎日広い家で独りきり、

さぞ寂しく退屈だろうと思っていたら

朗らかに屈託のない声で

一日中テレビの前にいるのが楽しいなどと言う伯母に、

やっぱり私の性格や考え方は

ネガティブで

ギリギリアウトなブラックジョークをよく口にした母じゃなくて

この人のほうに似てるなと思った。

 

娘が嫁に行って寂しい話とか、

母が元気だったら聞いてほしかった話を

母と話すのと同じような感覚で話せる人が

こうして元気でいてくれることが

何よりありがたくうれしく幸せ。

 

ただでさえ気軽に会いに行ける距離ではないのに

コロナのせいでますます遠くなってしまったけれど

また絶対会いに行くから

まだまだ元気で頑張ってね。