死んでも「アイツ」に勝ちたかった④ 松野明美(1)

 92年、バルセロナ五輪を前にして、日本中が女子マラソンの最後の代表枠を争った2人のランナーに注目していた。陸連側の曖昧な選考基準に翻弄され、そ の後の競技人生は、まさに明暗を分けた2人。「私だったら金メダルを獲れた」と、今もきっぱりと語る松野明美が、当時の舞台裏から宿敵・有森裕子との18 年ぶりの再会秘話までを語り尽した。自分より遅い人が選ばれた バルセロナオリンピックの女子マラソン中継の日、私はボロボロと涙を流しながらテレビの前 にいましたね。レースを観ているようで観ていないという感じで、ただただ「私がこのコースを走っていたら‥‥」と、そればかりでした。