私たちは無駄な衝突を避けて円満に事を運びたいという気持ちがあるから関係が遠い人ほど丁寧に扱う傾向があります。逆に近しい人はお互いを良く知っているがゆえに深いダメージを与えることもでき、相手への期待が大きいからこそ失望も大きくなってしまいます。

近しい間柄でぶつからずにすむ方法はないものでしょうか。関係を断つ? それは極論ですね。そうせずとも方法はきっとあるはずです。衝動的な怒りにのまれ取り返しのつかないことになる前に、一定の心理的距離を置くことです。

距離を置くということは、相手への気持ちをしまい込み、関心をなくすことではありません。「相手と自分は別の人間であることを認める」ということです。

相手は自分とは違う人間。自分の思い通りにならなくて当然。責めたり批判したりしないで、相手の決定を尊重してみようということです。

互いの距離が保てれば、相手の領域をむやみに犯すこともありません。それでこそ相手も心を開き、お互いの理解を深めようとするのです。

関係が近くなるにつれ、「私たちの仲なのに、こんなことまで気を遣わなきゃならないの?」と考えがちですが、相手が何事も受け入れてくれると期待してはいけません。また、相手の弱点をつついたり、プライドを傷つけるような言葉も避け、お互いの信頼を第一にしましょう。

まずは嫌いにならないギリギリのところまで離れてみることです。