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柏戸剛の第八話です。

しかし、大鵬親方は、自分は言葉を選んで喋るだけで、柏戸は男らしく、気っ風のよい人だから、柏戸のほうが上だといわれます。
お互いのライバルでありながら、認め合う素晴らしい関係に敬服しました。
毎年、大阪宿舎に行くと、ちゃんこをご馳走になり、朝風呂までご一緒させていただきました。
私の紹介した新弟子は、後輩の新弟子も入門させて、序二段で腰を壊して廃業しましたが、少しでも力になれたと自負しています。
鏡山親方のとっていただいた向正面時計係のすぐ後ろの席で、貴乃花や曙の相撲を見たのも、すごい経験で、幕内起利錦の断髪式でハサミを入れたのも貴重な体験でした。
しかし、起利錦の止めバサミは、一門の総帥時津風親方がされたのが、不思議で親方の安否が心配でしたが、残念ながら、その年の暮にご逝去されました。
享年58歳でした。
気落ちした私の姿はなぜか痛々しく見えたらしく、会う人会う人に、慰めていただきました。
しかし、私よりも大鵬親方の落ち込みは激しく、号泣されたと聞きました。
華麗なる柏鵬時代が懐かしく、大鵬ファンと議論を交わすと、私が「大鵬がいなければ柏戸の優勝は20回近くになった」と言えば、大鵬ファンは「何を言う!、柏戸がいなければ大鵬の優勝は40回にはなるし、連勝も双葉山を越えたかもしれない」と言われ、密かに喜びを感じる柏戸ファンであり、隠れ大鵬ファンの私です。