EDENSZERO第283話『時の体内』感想 | ルーメン・イストワール

ルーメン・イストワール

真島ヒロ先生を応援しています。
EDENS ZERO/Mashima HERO'S/FAIRY TAIL/RAVE

最後の銀河六魔将、伝説の剣士レディ・フレイヤを制したホムラ。エデンズゼロに迫る脅威は、あとエデンズワンのみ…!!


前号までのあらすじ…冒険の終着点へ辿り着いたエデンズゼロ一行。ヴォイドたちに阻まれながらも、シキは「時喰み」を呼ぶことで、マザーを元々の"地球"の姿に戻すために行動する。その一方で、エデンズゼロには最後の銀河六魔将の二人が襲来するも、ジンとホムラの活躍により艦内の危機は去り、残るは宙域のエデンズワンとの決戦のみ。それぞれの戦いの行方は…!?


扉絵

扉絵は、今回本編に出てきたシャオメイ

ピコラッタ星人と果物を食べてる?

何かの小さな果実?を口に入れてる仕草が可愛いっ!!

久しぶりにシャオメイの可愛さを堪能しました。


シャオメイの力を借りる

ラビリアを含めた大勢のB・キューバーの協力とは裏腹に、時喰みが来る間も無く完全に消えてしまいそうなマザー。

そもそも最初は「消える」を選んだら一瞬で消えるのかと思っていましたものね。

今この時間は、シキ達に与えられた猶予のようなものだった。

今すぐ時喰みをこの宙域に呼ぶ事が難しく焦るレベッカたち。

シキは「仕方ねぇ 一か八かだ」と言って、ある「賭け」に出ます。

「オレが時喰みを連れてくる」…そう言ってワームホールで別空間に移動。

シキが訪れたのは、惑星ミルディアンの知識の宮殿。

この場にいるシャオメイに頼みに来ました。


シャオメイは「時詠み」の力で全てを知っている。

であれば、当然時喰みの位置も分かるんじゃないかとあてにしました。

「無論…私に知らない事はありません」と言って、シキの狙い通り。

ここでシャオメイを頼るっていうのは予想していませんでした。

マザーと喋ってるシーンで、この最終決戦にも顔出していたけど、まだシキ達と関わっていない事で伏線回収の兆候が感じられなかった存在。

このタイミングでシャオメイにコンタクトを取るのは、パズルのピースがハマったかのような腑に落ちる気分です

そんな関わり方があると考えつかなかった。

惑星ミルディアンと言えば、3年後の楓宇宙編では「不規則に移動していて場所が分からない」という性質が分かっています。

宇宙を跨ぐレベルで移動していて、どこにあるのは探すのが困難だった。

シキがワームホールで簡単に接触できた事に驚いたのですが、この時代は「3年前」なので、桜宇宙のかつてシキ達が訪れた時と同じ場所にあったのでしょうか

そう考えると納得できます。

一度行った場所であればワームホールで移動できそうだし、本来探すのが困難な星も容易に発見できる。


ユニバースの外の存在

「お久しぶりですわ シキ・グランベル」と言いながら「…と言ってもこの世界では初対面のハズですが…」なんて矛盾する事を言うシャオメイ。

かつて言っていた「未来は幾つも分岐しているのよ 勝った未来も負けた未来も見えてる…」という発言とマルチバース概念を重ねていたのか、シキは即座に「おまえもユニバースを越えられるのか」と聞きます。

シャオメイの返答は「いいえ…」

「私はユニバースの外の存在 全てを知る者なのですから」と答えました。

詳細は不明。

しかしシャオメイが「ユニバースの外の存在」というのは何となくイメージしていた実態ではあります。

我々読者は彼女が「物語の語り部」だと知っているので、その視点から全てを知っているのはまさに「ユニバースの外の存在」と表現できそうでした。


本来ユニバースごとに違う自分がいるのに対して、シャオメイは単一のオリジナルの存在のままそれを外から観測できる。

「自分」という存在がブレない。世界が変わっても、記憶も引き継がれる。

まさに「読者」と同じ存在感で、シキ達の旅路を物語の流れのまま追体験できてる。

ユニバースというものすら超越した視点から世界を見ている。

この物語のクライマックスにきて気になってくるのはシャオメイのルーツです。

今回その正体らしきものが仄めかされたけど、一体どのような経緯で「時詠み」の力を得て「物語の語り部」になったのか。

「物語の語り部」という存在が最終的にどんな意味を持ってくるのか、未だに一向に分からない。

今回「ユニバースの外の存在」と知る事ができたのは、貴重なヒント。

あの世界でシキと喋る時は別人なんじゃないかと思うぐらい違和感がありましたが、ちゃんとあのシャオメイは「ユニバースの外の存在」として「語り部」としても「伝説の占い師」としても共存しているようです。

「ユニバースの外」とは何なんだろう。

「物語の語り部」というキャラをメタ認知できる領域なのか、それとも物理的にユニバースの外に「何か」があるのか


地球の衛生

「今のマザーの状況は私にとっても由々しき事態ですわ」と言っていて、シキに「おまえもマザーが消えると困るのか?」と聞かれると「そうでわね」と答えていたのも気になるところ。

「ルナ」と呼んでいて、他にない特別な繋がりがある事が仄めかされいたシャオメイとマザー

それまではマザーに出会って力を授かったという話だけだったので、少し意外ではありました。

「おまえもマザーが消えると困るのか?」と聞かれて「そうですわね」と答えるからには、どうも純粋に「大宇宙に生きる1人として人類の滅亡が困る」というだけの話ではない気がします

シキはシャオメイ1個人を指して「おまえも」と聞いていたから。

深くは説明しないも「そうですわね」と答えるのは、シャオメイ独自の理由があるように感じました

そこでシャオメイが言ったヒントが「私は地球の衛星でしたの」

「?」と言葉の意味がよく分からないシキに「そんな話はどうでもいいですわ マザーを救って シキ」と宇宙の未来を託します。

シャオメイのもう一つの名「ルナ」はラテン語で「月」を意味する。

「月」は「地球の衛星」

シャオメイ=月説確定でしょうか

やはりそこまで密接に関わった星だから、この宇宙でも特別な繋がりを匂わせていた。

マザー唯一の友かのように親密に感じられた2人の関係性にも納得です。

気になるのは、どのような方法でシャオメイになったのか…ですが。

1番考えられるのは、マザー同様星のオーバードライブ

だとして地球のオーバードライブが月まで影響し得る理由があるのか、はたまた別の現象によって起こった事なら他にどんな状況が考えられるか、謎が尽きません。

特にシャオメイにとって1番大きなコンセプトとは「物語の語り部」

何故そのような存在がこの物語にはいるのか、それはどのようにしてなるのか、物語の最終局面になって登場人物に直接関わる意味とは…?


時喰みの目の前に

シャオメイのサービスによって、シキは時喰みのいる世界へ。

巨大な時喰みが一体。


周囲は他のどの宇宙とも違う歪んだ世界になっています。

これまでシキ達が進んできた四季大宇宙のいずれかではないのかな?

EDENSZERO世界における宇宙はエルシーが「七つの宇宙を制した大海賊」と呼ばれて少なくとも「7つ」はありそうだったり「四季大宇宙」は「四大宇宙」という呼び名もある事から、四季大宇宙が大きな4つの宇宙でそれ以外にも小さな宇宙がいくつもありそうだったり、これまで世界観に広がりがある表現をされてるんです。

もしかしたらこれもシキ達が訪れていない宇宙の一つで、時喰みの住処…?

何らかの生物らしい習性みたいなのがあるのか謎ですが、歪んだような空間に時喰みらしさを感じる。

まるで時喰みがいる事で元々普通だった宇宙空間が歪められたかのような。

いきなりシキの目の前に現れた時喰み、KOEEEEEEEEEE!

時喰みって最初期からいる存在で、イメージが格落ちせずずっと怖いの凄いですね。

もう物語も最終盤で、最初期からいた存在はほとんどそう怖くない存在になった気がするのに(ジギーだったり六魔だったり)。

コイツだけはずっと怖い。

こんなに至近距離にいて、今すぐにでも時を奪われ殺されそうで背筋が凍りました。

いくら時喰みの場所を教えてほしいって言ったっていきなり捕食者の目の前に放り込み過ぎ。

一定確率で何もできず死んでたバッドエンドあったと思うよ。

多分これまでで1番ドデカく時喰みが描写された今回で、相変わらず時喰みのデザインの良さにも感動しました

初めて見た時からそうだったけど、宇宙にいる厄災として似合い過ぎてる。

ブラックホールとかその手の自然現象じゃなくて、まるで生物を模したような姿が恐怖を募らせる。

時喰みのほんの気まぐれで大勢の人が死ぬ恐怖がある。


時の体内

普通に時喰みを重力で引っ張ってマザーのいる宇宙に連れていくのかと思いきや「まずはおとなしくさせねーとな!!!」と臨戦態勢

まぁ確かに素直に従う存在じゃないですが。

ちょっと脳筋にも感じましたが、妥当な判断。

時喰みを殴って大人しくさせるなんて視野になかったですけど。

時喰みの体内が意外と生物的になってるのも印象的だし、突き抜けた中には巨大なハリケーンが巻き起こってる。

生物的な食道は若干それっぽくてイメージできる部分ではあったんですけど、中で竜巻起こってるってのは考えてなくて、これが時喰みの体内なのか…と妙にしっくりきた。

ああいった竜巻って螺旋状のかたちをしていて、それだけで少し「時」の概念を感じるんです。

始まりと終わりを無数に繰り返しているかのようなビジョンが時喰みの体内として自然に受け入れる事ができた。

その竜巻の中から出てきたのは、時喰みの核?

女性の姿をした怪人。

このビジュアル、初見時エグい想像をしてしまって思わず鳥肌が立ちました。

少し前のEDENSZERO、その答えはエデンズワンだったわけですが、ジギーを狂わせた黒幕の可能性として「ユニバース3173のレベッカ」という意見を見かけていたんです。

それはそれで凄くユニークな発想で、レベッカがラスボス展開も面白いと感じていた。

この時喰みの核、見ようによってはレベッカに見えてこない……?


大人の女性、ウェーブがかった髪、"時"を司る存在、頭部の猫耳。

いくつかの特徴がレベッカと酷似するんです。

特に頭部の猫耳なんて、そんなピンポイントな個性が一致する事あるか…?

時喰みに猫要素なんて僅かも感じていなかったのですが。

レイチェルの前の先代セントファイア・ノックスとか、それ以前のキャットリーパー使いとか、そういう発想でも筋は通りますが、ここは「レベッカ」説が1番面白い気がする。

もちろん今マザーの前にいるレベッカじゃない。こことは違う別の時空のレベッカ。

ヴォイドはユニバース3173から来てるし、ジギーも失われていたはずの記憶を知ってる以上違うユニバースから来た可能性を考えています。

前例がある以上、エデンズゼロクルー以外の存在が別のユニバースから来るのも考えられなくはない。


星の時を奪う怪物"時喰み"。その体内には女性(?)の姿が…?

第284話『ゼノフレア』へつづく

調べると「ゼノフレア」という言葉はなく「ゼノ」と「フレア」で分解して意味を調べると「外から来た炎」とかになるんでしょうか。

「外から来た」とは、まさに時喰みの正体を示していないかな。

攻撃だったり、破壊すべき核だったり、何らかの時喰みに関係した言葉の予感。