宇宙の平和を願いながらシキの選択を尊重している?マザーの真意は何か | ルーメン・イストワール

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EDENS ZERO/Mashima HERO'S/FAIRY TAIL/RAVE

概要


現在絶賛最終章真っ只中のEDENSZERO

今シキ達はマザーがいると思われる未開の宇宙に来て、エデンズワン勢力と戦っている。

マザーを目指して先に進むというよりかは足止めをくらっており、少しマザー到達の目処が立たない現状。

しかし最新話にてついにマザーが姿を現した。

シキ達の前じゃないが、マザーが作中に出てきて言葉を発している。

マザーが喋るのはシキが外の世界に飛び出した直後、原作だと2話冒頭のみで、263話にしてついにマザーが再び姿を現す(マザーエーテルに残った思念であったり他の人が語ったイメージとしては出てきていたけど)。

ついにマザーが読者の前に出てきて、シキ達が到達するのももう間も無くなんじゃないかと実感が湧いてくる

マザーの言動はどんなものであれ、マザーを知る上で貴重なヒントとなる。

今回はついに出てきたマザーについて考えてみる。


マザー

まずは簡単に「マザー」についておさらい。

  • この宇宙のどこかにいる星より大きな女性
  • 何故、何の為に存在するのか分かっていない謎の生命体
  • 昔、桜宇宙の外に出た冒険者が偶然見つけたという話以外全く情報がない
  • いつしか冒険者たちの間で「宇宙の女神」として崇められるようになる
  • 「マザーにたどり着いた者はもう一度生まれる」という伝承がある
  • 「マザーに叶えられない願いはない」と言われている
  • マザーにあった物品として「遺物」と呼ばれるものが宇宙に無数に存在している
  • 理由は不明だが、現在マザーの命は尽きかけている
簡単に…だけど、こんなところかな。

彼等こそこの宇宙を救う英雄になると信じている

今回マザーが言った発言はこういったもの。
「いいえ…彼等はきっとここに来ます 私は信じているのです 彼等こそこの宇宙を救う英雄となる事を」
シャオメイが「エデンズゼロが爆発まであと7分」と現在の状況を語り「まあ…彼等なら切り抜けられるでしょう…それとも宇宙のチリとなってしまう運命でしょうか」と語っていた時、それに合わせて返答していた。
シャオメイと話せてる理由も気になるところだけど、今回考えたいのは「私は信じているのです 彼等こそこの宇宙を救う英雄となる事を」という部分。
これはマザーが唯一登場した第2話冒頭で言っていた発言に呼応している。
マザーは、シキの旅が始まった時「少年は旅立った かの少年はこの宇宙に何をもたらすのか 伝説の英雄となるか 魔王として破壊の限りを尽くすか」と二つの未来を示していた。

まるでシキが必ずどちらかの未来を辿るような言種。
シキの行く末にその二択しかないかのような言い方をしている。
この時はどちらになるも天の導きで、どちらの可能性も五部、マザー自身そこに特別な思い入れは無さそうだったけど、今回の発言は印象が違った。
「私は信じているのです 彼等こそこの宇宙を救う英雄となる事を」と言っていた。
どちらになっても良いわけじゃなく、シキ達が宇宙を救う英雄となる事を願っているようだった
そうであるなら、宇宙が救われなければいけない不都合がマザーにある?
ユニバース0は分からないけど、それ以外ではどの宇宙でもマザーが滅ぶと言われている。
それは人類の滅亡とも因果関係がある。
「この宇宙を救う」事が「人類の滅亡を阻止する」事と同義なら自分が滅ばない為に願っているんだろうか。
しかしそれにしては悠長で、2話冒頭で出てきた時なんかは「さあ冒険の始まりよ あなたの足で進むのです」と言っていて、未来を強制はしていない。
あくまでシキの自由意志を尊重していて、それを1番に大事にしている。
この宇宙を救ってくれると信じているが、それはシキ自身が選ばないと意味を成さないようなものなんだろうか

二万年後の星

マザーのすぐ近くには崩壊した星のようなものがある。
これは作中で何度も描かれている。
二万年後の未来にあった謎の星

シキとレベッカの遺体があった場所からちょうど見れる距離にあった。
外観は完全に一致している。
同じものと考えて間違いない。
しかし、何故この星がマザーの近くにあるのか
マザーの存在理由と特別な繋がりがある星?
ちょうどシキとレベッカの遺体があった側の星、単行本1巻の話のラストでは「エデンズゼロ…」という言葉と共に初めてタイトル回収がされた時に出てきている。
ここまで作中で重要な瞬間に出てくる星が無関係とは思えない。
何か重要な意味があるはず。
気になるのは、この星があった二万年後には既にマザーが滅んでいる事
あの星と共にマザーが描かれるのは本来あり得ない。
何故こんな状況が成立するのか、考えられるとしたら…
  • あの星はマザーが生存している時代からあのような状態になっている?
  • マザーがいるのはユニバース0における二万年後?
後者なら宇宙を救う≠マザー滅亡の阻止という文脈で見る必要も出てくる。二万年後の時点でマザーが生きてるなら、それは滅亡を回避した証だと思うから。

2話冒頭の星と同一?

もう一つ、今回マザーが出てきた描写で読み返すと不可解な状況が成立している。
それは、マザー初登場時の第2話冒頭
今回出てきた時と同じ体勢で同じ場所にいるが、一つだけ違うと思える点がある。
それは、マザーのすぐ側にある星
今回出てきたものは完全に二万年後の未来にあった星だが、2話冒頭で出てきたものは全然違う。

崩れた形をしているけど、分裂しているような感じではなく、砕けているような形状。
絵のタッチの違いなんかじゃなく、描き方から明らかに違う
しかし、全く同じ位置にある。
何故マザーの側にある星が違うものなのか。
まず考えられるのは、2話冒頭で描いた星を途中で2万年後の星と同じものにしたという軌道変更の線
2万年後の未来で崩壊してる星は、マザーの側にある崩れた星と同一なんじゃないか?という発想は読者の中でもかなり前からあった。
初期構想ではそうじゃなかったが、真島先生も似た発想に至り、新しい解釈が生まれた可能性。
これだと複雑な状況を全部無視して話を進める事ができる。
ただ、マザーは作中最重要の存在。2万年後の未来も1巻の時点から出てきている。
当然ある程度設定を練ってから話を展開してると思うので、最重要要素が二つも重なった描写で致命的な矛盾が起きると考え難い部分もある。
なのでこの違いに意味がある可能性も考えてみる。
  • 2話冒頭で今回で時代が違う?
  • 2話冒頭と今回でユニバースが違う?
という可能性を考えてみた。
後者に関しては実際にユニバース1からユニバース0に移動してきている。
2万年後の星がマザーの近くにあるのがユニバース0の特徴で、マザー生存に大きく関わってくる?
だとして、じゃあ2話冒頭の星は何って疑問も生まれるけど。

次に具体的にマザーの真意、目的を考えてみる。

①宇宙の平和

最新話でマザーは「私は信じているのです 彼等こそこの宇宙を救う英雄となる事を」と言っていた。
「この宇宙を救う英雄になると信じたい」という想いがあるなら、1番考えやすいのがマザーの真意は「宇宙の平和」という線。
マザーは「生命」の象徴とされており、優しい母の姿をしている。
レイチェルによると「私たち人類は母なる存在マザーから産まれたとされているんよ ゆえにどんな人間にもマザーの一部が流れておるんよ」という話。
つまりマザーからしたら人類は我が子のようなもの
我が子を守りたいというのは母として当然の欲求である
この宇宙が安らかで平穏である事を願っているんじゃないだろうか。

②シキが自分の意思で未来を選ぶ事

しかし、①に相反する反応を示してるのが、前述の通り2話目冒頭の「さあ冒険の始まりよ あなたの足で進むのです」という発言。
「かの少年はこの宇宙に何をもたらすのか 伝説の英雄となるか魔王として破壊の限りを尽くすか」と二つの未来を示した上で、どっちになってほしいというマザー自身の願いはないかのようだった。
ああいう言い方をするからには、マザーにとって最重要なのはシキが自分の意思で未来を選ぶ事なんじゃないだろうか。
シキは葵大戦の最後、自身の選択によってウィッチを失っている。
ジギーには「シキ…選択を間違えたな」と突きつけられていた。
ウィッチは最近の話でシキの母親だった可能性まで浮上してきている。
シキは一度母を失った事になる。
そんなシキだからマザーは特別な思い入れがあるんじゃないかと。
選択を誤る事もあるけど、その時々で自分の決断で未来を選び取る事が大事
あの時の後悔が物語の最終結論に至る為に重要なヒントなのかもしれない。

以上、最新話のマザーについて考えてみました。
マザーの目的や真意は考えてみたけど、まだしっくりこない。
しかし考えるのが楽しい要素がいくつも散りばめられていて、どう繋がっていくのか真相が楽しみです。