高次元の騙し合いを制したハーミット!!四黒星キラーとの激戦も、これにて決着…!?
前号までのあらすじ…レベッカの力で時喰みを呼び寄せ、惑星もろとも食べさせジギーを討つ"星咬作戦"。その目的の下レンダード中枢を目指すシキたちの前に、ジギーの側近・魔王四黒星が立ちはだかる。ハーミットはエデンズ艦内に侵入したキラーを迎え撃ち、見事電脳戦に利用したが…!?
扉絵
扉絵は、アオネコチャンネルの生放送でゲーム実況をしてるレベッカ。
騎士のようなキャラクターが魔法使いの前でモンスターを斬ってるけど、これはRPGかな?
ミニキャラを操作して先に進む光景は、ちょっと『レベッカと機械ノ洋館』を彷彿とさせられる。
こういうゲームって実況向きではあるんだろうね。
いかにも動画配信者がゲーム実況してるっぽい光景として解像度が高くて似合ってた。
ハーミットが勝てた理由
「バ…バカな…オレの方がハーミットよりCPU性能は高い…ハズ…」と言うキラーですが、ハーミットはそれに対して「性能だけで言ったらそうかもね」と答えます。
「でもここはエデンズゼロの中よ 船の演算能力をネットワークを通して私に加算できる」と。
よく分からないですが、要はエデンズゼロのスペックを自分の性能に加算する事ができる…みたいな理屈なんでしょうか?
「船の演算能力」というものが一体何を指すのか分かりませんが、ニュアンス的に自分はそういうイメージを抱きました。
何らかの方法でエデンズゼロの力の一部を使う事ができるんですかね。
ある意味エデンズゼロ内は、妖精の尻尾の魔導士における天狼島のようなものなのかもしれない(天狼島は妖精の尻尾の加護があるので)。
「性能だけでいったらキラーより低い」と完全に認めたわけですが、それでも勝てた理由は「ワイズのおかげ」って部分が大きいんだろうなーとも思います。
前回、キラーを倒したハーミットは「…てゆうか今回はワイズのおかげかな」と話していましたし、ワイズの戦闘データによってハーミットは戦闘スタイルを予想する事ができました。
ワイハミ推しとしては、その部分が大きくあってほしい!
そうなら、今回の「性能だけで言ったらそうかもね」にも「ワイズとの仲間の絆で勝てた」というバックボーンを想像する事ができます。
性能は完全に上回ってる相手を仲間と協力する事で倒せたみたいな状況が好きなので、今回のハーミットの発言にはグッとくるものがありました。
ただでは死なない
対するキラーは、ハーミットに負けた事実を認めず「今回は引き分けって事にしておいてやる…」と言い返します。
どう引き分けかって言うと、自爆してからのハーミットの体内に侵入。
何か不可思議な現象に侵されたハーミットは「なに…コレ…こいつ…!!私の中に入るつもり…!!?うあああああああ」と叫んでいました。
これは、一体何なんでしょうか。
前回、キラーはホログラムと戦っていると思っているハーミットに後ろからウイルスを流し込んでいました。
結果、それをもホログラムという騙し合いに勝利したのがハーミットだったんですが、この時やろうとした攻撃に近いものなのかな?
何かが流れ込む事で、ハーミットの中で「ウイルスを検出」し、続けて「復旧プロトコル無効」「ハードウェアの異常を検知」していた。
ちょっとあの時の攻撃と似たものを感じました。
何か未知の力の支配されていくハーミット。
クラウンはこの状況を「ハーミットはキラーに汚染された」と説明していました。
キラーはその事に対して「ただでは死なん…おまえの"心"を破壊する…!!!」と。
対象の心を破壊する汚染。
それが、キラーの最後っ屁の攻撃。
「キラーがハーミットの中に入る」と考えると、通常のウイルスより強力なものではないかと考えられますね。
何か一方向で人をおかしくするものではなく、もっと全体的に機械のコントロール権限を奪う力。
「キラーがハーミットの中に入る」という言葉からはそういうイメージを抱きました。
実際、キラーは「おまえの"心"を破壊する…!!!」と宣言していましたし、それに近い何かが起こりそうです。
ハーミットの全身は血管が浮き出るように体内に異常な反応が出ていて、怖いです。
こういうのたまにある描写だけど、死に直面してるような危機感あって怖ぇ!
四煌星は、ヴァルキリー→ウィッチに続いて全員死亡説があるので、この先を読むのが怖いところです。
崩壊する亜空間プログラム
製作者であるキラーが死に近い状況にある為、亜空間プログラムにも変化が起きます。
病院ステージとして保たれていた空間が突如歪み、床も消滅し始めました。
こういうの面白い!
今そこにいる世界が空間レベルで変化していくみたいなの好きなんですよね〜!
映画で言うと、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』みたいな世界が崩壊していく不思議さが好きです。
今回の亜空間プログラムにも近しい魅力を感じました。
世界がぶれ始める。
それまで現実と差して変わらなかった空間が、突如壊れ始める。
そういう描写として「ぐにゃぁぁ」と歪む光景とか床が崩れて消滅している光景とか凄く自分の好みを刺激されました。
絶体絶命の状況になってきましたが、何とかレベッカと合流。
クラウンに連れられ拘束されていたレベッカは空間の切れ目のようなところにいました。
崩壊する建物の奥にいるお姫様。
絵になりますね〜!
まるで世界の消滅の鍵を握るヒロインみたいな光景がたまりません。
こういうの好き。真島先生も好きなはず(歴代作品を思い浮かべながら)。
床が崩れた世界で重力のエーテルギアで浮遊できるシキだけがレベッカを助ける事ができる必然性も良かったです。
やっぱり話作りとして、こういう状況ではこれしかなかったと思わされる必然性って面白さを構築する。
レベッカにとって助けてくれる王子様はシキしかいないと思わされる状況が良かったです。
で、その最たるものが助け出してがしっと抱きしめた瞬間でした。
「崩壊する世界でレベッカを抱きしめるシキ」ってロケーションが好き過ぎる。
たまにシキレベ好きさんと話す事があるんですけど、こういう終わりの世界を舞台にしたシキレベシチュって好きな人多いんですよね。
真島先生、ファンの需要を分かりすぎてる。
四煌星全滅
ワイズは宣言通り亜空間プログラムの解除に成功し(計算エフェクトがかっこいい!)、無事元いた闘技場に戻ってきました。
唯一現実世界で敵と戦っていたホムラ。
一度現実世界を経由して再び亜空間プログラムに入ったシキはその事を知ってるわけですが、辺りを見渡して探すと衝撃的な姿が。
何か機械的なものを背にホムラが血を流し、気絶しています。
まぁ正直サブタイトルを見た時点で予想できたわけですが!
今回のサブタイトル、実は前回の時点で予告されてなくて。
真島作品は毎度必ず予告するんですけど、今回は無くて、何でだろうなぁと思っていたらこの衝撃展開だったからなんですね。
サブタイの通り「四煌星全滅」。
キラーに汚染されたハーミットに続いて、ホムラまでブリガンダインに敗北しました。
「ホムラはどこだ!?」とシキが探してから1ページ使ってホムラの衝撃的な光景まで溜めの描写があって、この後どーんと驚く展開が待ってるよって読めすぎたんですよね。
それも事前情報がゼロだったら素直に楽しめたかもしれないんですけど、流石にサブタイトルがド直球過ぎたのは情報の開示仕方として微妙だったと思います。
四煌星全滅を示すサブタイトルでも「落ちる星」とか「黒く染まる」とか、もっと他にそれっぽい匂わせネーミングを真島先生なら考える事ができたんじゃないかと思いました。
ホムラですが、背もたれの跡を見るに、最後一発ぶん殴られて気を失ったタイミングがああだったのかなー。
気を失って倒れてるのは分かるんですけど、普通に考えてあの座ってるポーズになってるのが不思議なので、あれでノックアウトになった背景を想像すると、あの巨体に殴られたのが敗北の決め手になったのではないかと思いました。
実際、188話ではブリガンダインの拳を受け「なんという力だ!!防ぎきれぬゆえ!!」と言っていたので、防ぎれなかった末路があれだったのかもしれません。
機械の死
「機械に命がある」云々は「機械には心がある」に通ずる、どちらかというとシキ達サイドが言いがちな言葉ですね。
機械の命や心を否定する相手に対してよく言い返してる。
ある意味EDENSZERO世界の"光"の考え方ですね。
だから、そんな印象を受ける言葉を敵側のクラウンが言ったのは印象に残りました。
「ある人は機械に命があると言いました ならば当然機械にも死はあるのよ」と。
「んな事ァ言われなくても分かってるぜ」と言うシスターですが、続けてクラウンは「機械の死って何かしら?『故障』?『全損』?」と話を続けます。
「違うわね」と前置きし、クラウンが考えるのは「たった一つの命令も実行できない時点で死んでるの そんなの人間以下のゴミだから」というものです。
クラウンにとって「機械の死」とは「たった一つの命令も実行できない事」。
「死」とはクラウンにとって「訪れるもの」ではなく「最初から決まってるもの」なんでしょうね。
言い方を変えると「終わってる」ってやつでしょうか。
どうしようもなく救いようがない存在は「死んでいる」。
本当の「死」とは何かみたいな話って多くの漫画で出てきて、例に漏れず今回も「人から忘れられる事が本当の死」みたいな考えが過ぎったんですが、そうではなく「本当の目的すら果たせない機械は終わってる」という発想で「死」を説明するのは予想外でした。
あまり聞いた事がないニュアンスで印象に残ります。
独特な考え方は、よりクラウンの人間性を感じる事ができました。
で、ふとこの考え方に対してふと頭を過ぎったのは、68話でシスターが言っていた「任務は15年前に解かれてんだ オレたちは自分の意志でここにいるんだ」という言葉です。
クラウンの言葉は暗にシスターに皮肉を言って否定する意味もあるんじゃないかと思ったんですけど、そういう意味で対照的なところって「命令」で動く四黒星に対して、四煌星は「意志」で動くんですよね。
それは、ジギーに任を解除してもらい、自分のやりたい事を考えたからこそ。
あの時のジギーの行動があったからこそ、四煌星は自分の意志で生きる事ができているのです。
シスターvs.クラウン
バトルドレスに換装したシスターは、新たな戦い方を見せています。
エーテルの鎖のようなものを鞭として扱っている。
その鞭を振り回しクラウンを攻撃していました。
鞭を使うって点だけでいうと、これまで通りのシスターの戦闘スタイルなんですが、今回はエーテルを操って武器にしているという点が新しいです。
全く想像してなかった戦い方だけど、こうやって見ると自然と受け入れられる。
初めて見るのにシスターらしいと思える。
物理的な鞭と違ったエーテルの鞭、EDENSZEROらしい戦闘方法だなと思います。
前述の話に続いて「で?ジギー様からはどんな命令を与えられてんだ?」と返すシスターは皮肉っぽいですね。
自分が「意志」で行動してるからこそ「命令」で動くクラウンの非力さを指摘している。
暗に「命令」で動く機械生命体を否定的に捉えている事が分かります。
「たった一つの命令も実行できない時点で死んでるの そんなの人間以下のゴミだから」と考えるクラウンに対する言い返しの意味もあるでしょうし、やはりシスターとクラウンは「意志」と「命令」という部分で対照的です。
お互いがお互いを否定してる。
ホムラ死亡!?
「四煌星の排除」が順調に進んでる事を話すクラウンの言葉は見逃せません。
「ウィッチはもういない」と「ハーミットはキラーに汚染された」は現状の再確認のようなものでしたが、それに続いて「ホムラも死んだ」ってマジ!?!?!?
えっ死んだの!?倒したってだけじゃなくて!?殺したの!?
マジか………。
四黒星が自分の存在意義を示す意味でもアンドロイドの旧四煌星を殺すのは分かるにしても、人間のホムラまで殺すことないじゃない…。
ヴァルキリーはもう戦死してるので、ブリガンダインの方が強いって事で良いじゃない。
あなたの上位互換性は、もう他の誰にも邪魔されないじゃない。
なのに、わざわざホムラを殺すって…。
敵だからと言ってしまえばそれまでだけど、特別他に殺す理由ってなかったんじゃないかな。
気を失ったから放置で良くないか。
何も殺さなくても…。
今回、サブタイでホムラがブリガンダインに負けた事は予想ができすぎたのはそこは微妙な要素だったんですが、こっちのホムラ死亡は衝撃的でした。
あまりにあっさり退場し過ぎてる。
無限城編の胡蝶しのぶか?
流石にホムラに関してはこれで終わりだとは思えないので何らかの方法でまだ出番があるとは思うけど、その上で今回の話でホムラが退場する可能性もあるのがEDENSZEROの怖いところだよな。
ベリアル・ゴア編で衝撃の主人公死亡展開をし(その後復活したが)、葵宇宙編では一度目の瀕死を覆した上でウィッチを完全に殺した。
後者のように、ホムラが復活した上で改めて完全に死ぬ展開はあり得る。
真島先生、俺たちはいつからこんなにビクビクしながらEDENSZEROを読まなきゃいけない状況になったんだ…。
シスター敗北!?
「ハーミットが汚染!!?ホムラが死んだ?何…寝ボケた事言ってやがる!!!」と信じないのは無理ないです。
仲間の力を信じてるし、ましてや死ぬなんて考えたくない。
ヴァルキリー、ウィッチともう二度も仲間の死を経験してるんですよ。
シスターが猛獣のショーに襲われたのは「何寝ボケた事言ってやがる!!!」と言い返しつつも、一瞬の動揺を誘われたのもあるんじゃないでしょうか。
あれだけウィッチの時だってもう二度と仲間を失わない為に戦って、その結果失った事がトラウマになってるのに、その上で再度「仲間の死」を突きつけるなんて。
人一倍人情深いシスターだからこそ酷く傷つくんです。
クラウンが召喚したモンスターのデザイン、良いっすね。
四つ目っぽい造形で大きなツノの生えた獅子のような怪獣。
要素だけピックアップすればベタっぽいけど、その姿は新鮮味あって意外と見たことない。
「黒」を基調とした全体的なカラーもダークな雰囲気あって好きです。
魔王四黒星のクラウンに似合っています。
そのモンスターに襲われたシスター。
ハーミット、ホムラの前例がある為、シスターもやばそうです。
これだけ力量の差が描かれているので、シスターの敗北が濃厚になってきた気がします。
四黒星の強キャラ描写パートはレベッカを倒した段階で終わったと思っていたのに、続けてシスターも倒してしまいそうなところがヤバすぎる。
サブタイが「全滅」だし、どうするんだ?
船の外では元ベリアル・ゴア組とホーリィがクロウに手一杯だと思うので、結構詰んでるぞ。
ここまでの絶望感、ベリアル・ゴア編以来で面白くなってきました。
四黒星の目的
シスターを倒した(と考えて良いのか)クラウンは、真の目的へと動きます。
194話では「シスターとハーミットの排除」「それがオレたちの作られた目的」だと言っていたから、それ以上の目的は無いものだと思っていましたけど、どうやらそんなことはなかったようです。
確かに対になるウィッチがもういないウィザードに対してでさえ「本当の目的」の存在が仄めかされていたのは腑に落ちてない部分でしたけど、そこにも意味があったという事なのかな。
四黒星の目的に対してクラウンは新たにこう言っていました。
「ジギー様 これで開きますよ あなたの欲する扉の奥のもの コード3173」。
ついにコード3173が陽の目を浴びる時が来ましたか。
初めてエデンズゼロを訪れた時からその存在が描かれ、その後69話で「エーテリオン」と分かるも、一向にそれが使われる機会はありませんでした。
真島先生、ここの設定忘れてるのかな?と不安に思ったほどです。
長らく放置されていましたが、ついにこの件に触れられて良かった…!
エーテリオンというと、真島作品で毎度出てくる存在ですが、やっぱりこうやって話に出てくると嬉しいです。
これまでと同じものだとするとエーテリオンってどういうものかもう分かってるのに、それでも一体コード3173って何なんだ!?とワクワクします。
もし仮にエーテリオンがこれまでの作品に出てきたものと同じでも、何か大きな扉の中にあるって設定がワクワクするんだ。
この強固な扉の中に一体何が眠っているんだろうと胸を膨らませたくなる。
「ジギーが欲する」というのも気になる部分です。
桜宇宙から葵宇宙に来た過程でドラゴンフォールのドラゴンは全滅しており、それに対して当時ウィッチは「まさか…ワンにもエーテリオンが…」と考えていました。
もし今ジギーがエーテリオンを欲しているという事は、ウィッチの推測は見当違いで、ワンにはエーテリオンがなかったという事なのかな?
ジギーが欲してる理由も含めて、エーテリオンとは如何なるものか気になります。
背後から突然の襲撃。他の四煌星同様、シスターも敗北…!?そして四黒星の真の目的は、エデンズゼロ最高機密"エーテリオン"──!?
第197話『自信』へつづく
今回はちゃんと次回サブタイあるね。
「自信」って凄くシンプルだけど、何か状況が好転するような回になるかな?
シスターvs.クラウンのパートかと思いきや今回で四煌星全滅なので、不穏パート(?)に対する解答になりそうな気もする。
パッと思い浮かんだのは、ラビリアかな?
レベッカのように戦う事ができないラビリアだけど強い自信を持てば何かの行動を起こせるんじゃないかな。