Gate of Nightmares第10話『ムーンガルド王国』感想 | ルーメン・イストワール

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EDENS ZERO/Mashima HERO'S/FAIRY TAIL/RAVE



扉絵

扉絵は、レムリアスゲートの前にいる兵士を見張ってるアビゲイル。

今回、ようやくアビゲイルがアゼル達と合流しましたが、その前日譚のような光景でしょうか。

そういえば、前回もアビゲイルが精霊の森を探索してる扉絵でしたね。

『EDENSZERO』だと、真島先生も本編では描けなかった部分を扉絵を使って描かれていましたけど、そういう手法に対するリスペクトを感じます。

おそらくあの兵士は、ムーンガルド兵で、そこから話を聞き出し、ウロボリアの元へ駆けつけたんじゃないかと背景が想像できて面白い!


鴉天狗

ラミアクイーン、つっよ。

前回の時点で、間違いなくアゼルがこれまで戦ったナイトメアで一番強かったのに、今回目を斬り倒したと言える状態でもまだ立ち向かってきた。

「目が見えなくても貴様にこびりついた人間の匂いが居場所を教えてくれる…!!」と言って、アゼルを押さえつけていました。

「視覚」だけでなく「嗅覚」も発達してるのが、ラミアクイーンなんですね。強すぎませんか。

前回目を斬ったところで、完全にラミアクイーンを倒したはずだったのに、まだ余力を残してるなんて。

前回時点で、ラミアクイーンの評価はずば抜けて高かったのに、まだその評価を上げてくるとは思わなかったです…!

ラミアクイーン、序盤のボスキャラにしては強すぎたな。

アゼルにトドメを刺そうとしたタイミングで、吹いた一陣の風。

アゼルの命を救ったのは、ラミアクイーンに力を奪われていたカラスのナイトメアでした!

真の姿を取り戻して、アゼルの前に姿を現した。

名は「鴉天狗」。

名の通り、カラス+天狗みたいなビジュアルですね。

いかにもファンタジー世界ならではのモンスターデザインで好き。

真島作品らしいファンシーさだと思います。

鴉天狗さんは、元々はこの精霊の森の「守り主」だったんですね。

ラミアクイーンを完全に対峙する為に鴉天狗が使った技は「幻術"万華鏡"」。

万華鏡写輪眼かな?

ラミアクイーンの前に幾重にも重なった鏡が現れて(これは白の秘術魔鏡氷晶っぽい)、自分の姿を映し出しました。

ラミアクイーンの目はアゼルに斬られ潰れたはずなのに、あの鏡の中では復活していたのは、あの世界が「幻術」だからですかね。

幻術故に、対象にとって本来の姿が出てきた。

ラミアクイーンの目には「石化」の力がありますから、鏡に映った自分の目を見て石化。

幻術と言えど、そう強く思い込む事によって「現実」になってしまったんでしょうか。


アゼエマ

フラフラのアゼルが駆けつけたエマの胸に飛び込む構図、良いっすね〜。

これぞあるべき真島作品ボーイミーツガールの王道の関係性っぽい。

ヒロイン側に「母性」のようなものがあったり、そこに安心して飛び込める主人公の関係性が眩しくて好きです。

きっとアゼルはエマだから安心して身を委ねる事ができたし、エマもアゼルだから心を許してるんだろうな〜。

この主人公にして、このヒロインあり、みたいな。

お互いがお互いの性質を引き立ててる感じが良い関係性だと思います。

あれだけボロボロになりながら「エマ達が無事でよかった」と笑顔を見せる事ができるアゼルも好感度激高…!

王道主人公ムーブと言ってしまえばそれまでなんだけど、この王道を忠実にいく安心感がとても好きですね!

素の人柄の良さが、自然に出てるんだよな〜。

ここでこう言える主人公、好き過ぎる。


神隠しの真相?

改めてアゼル達に礼を言う鴉天狗ですが、続けて事の経緯を話してくれました。

人間は森を荒らしナイトメアを傷つけてきたから、同胞を守る為幻術の力を使って人間を遠ざけてきたという話は、この森に足を踏み入れた者は元の世界に戻れないという「神隠しの森」の伝承に関係してるんですかねー。

幻術で人間を遠ざけたとなると、人間達からしたら不思議な伝承を噂する事だってあると思うし、この神隠しの話は鴉天狗にとっても都合が良かったはずですからね。

人間は森を荒らしナイトメアを傷つけるから、できれば森には来ないでほしい。

そうなると怖い伝承がある方が都合が良く、何なら率先的にその噂が広まるような幻術を人々にかけていたんじゃないだろうか。

そうすると、あんな話が生まれる経緯もよく分かる。

ラミアクイーンの方も幻術と石化を使っていたので、神隠しの話に拍車がかかったのはあるかもしれませんが、元々は人々を傷つける為ではなく、ナイトメアを守る為に生まれた話だったのかもしれません。

それがやがてラミアクイーンによって本当に怖い話になってしまったんだから、皮肉ですね。

「ナイトメアを守る」という美談が「人を傷つける」悪い話に変わってしまった。

こういうその時々の都合が、ごく自然に最初の思惑を超えて暗躍してしまう話は好きです😇

実はまだ名前を聞いていなかったようで、今にしてやっと「アゼル」の名を聞いた鴉天狗は「古い友人」の存在を思い出しました。

これ、間違いなく「暁の英雄アゼル」ですね。

前回の回想でもチラッと出てきた「いつかナイトメアと人間が友達になれる日がくる オレはそんな世界を夢見てるんだ」と話していた謎の少年。

容姿だけではちょっと印象が弱く、思い出せなかったけど、その名を聞いて「似てる」と感じたあたり、名前に秘密があるはずです。

となると、その正体は70年前に世界を救った始まりのナイトウォーカー「暁の英雄アゼル」しかいないでしょう。

今回は匂わせるだけで確定情報はなかったですが、一応前回の伏線に対する答えになっていたと思います。

原作ゲームだとまだ先に出てくるけど、コミカライズだとこのタイミングで暁の英雄アゼルを知るナイトメアが出てきたのも話として面白かったなー。


ムーンガルド王国

戦いが終わって、ラミアクイーンの脅威が去って、アゼルも晴れて一人前のナイトウォーカー。

これで全て一件落着かと思いきや、そのタイミングで真の強者が現れました。

背中に蛇のリングのようなものを抱え、ゴーグルのようなものをかけた謎の男。

ムーンガルド王国の五聖十が一人・無天の四ウロボリア(色々誤表記があるんですが、原作ゲームだとムーンガルドは「帝国」ではなく「王国」だし、名前は「ウルボリア」ではなく「ウロボリア」です)。

ついに出てきましたか…!

ムーンガルドに五聖天…!!

この物語で主要となる敵です。

EDENSZEROで言うなら、銀河六魔将。RAVEで言うなら、デーモンカード。FAIRYTAILで言うなら、バラム同盟みたいな。

敵国の5人いる最強の戦士。

エストレアの七星騎士団に対するムーンガルドの五聖天です。

こいつと戦わないと、ゲトメアの物語は始まらない…!

何なら原作ゲーム的には、こいつとの戦いこそ、この精霊の森編のメインですからね。

もちろん原作ゲームにはなかったラミアクイーン戦も面白かったんだけど、一方でウロボリアの登場をまだかまだかと待ち侘びてた…!

「改めてご挨拶を」のお辞儀ポーズも原作ゲーム通りで高揚しました。

この姿が見たかった…!

口調やポーズは丁寧過ぎる故に、妙な憎たらしさのあるウロボリア。

良い意味で、好きになれないです。

早くアゼルにぶっ飛ばされてほしい〜!


駆けつけたアビゲイル

ウロボリア、流石に強い。

原作ゲームでも今現在実装されてるストーリーだとラスボスなんですが、めちゃくちゃ強いです…!(最近できてないのもありますが、自分はまだハードモードの方はクリアできてないぐらい強い!)

コミカライズ版もその強さを思う存分発揮していますね。

周囲に冷気を放ってから、一瞬でアゼル達を凍結させるの強すぎました。

こんなん初見殺しやん。

いくらアゼルが炎の能力使うと言っても、こんなの対処のしようがない…!

なす術もないまま、凍らされる。

FAIRYTAILに出てくるインベルなんかを彷彿とさせる凍結の早さですね…。

一瞬であれほど大きな氷塊、凄い。

アゼル達が負けたバッドエンドかと思いきや、その氷を一瞬で溶かす程の爆炎に包まれた…!

そう、この人。

七星騎士団副団長アビゲイル…!!

アビゲイルがアゼル達を助けてくれたー!!

ここも原作ゲームファンとしては、待望の展開でしたね。

この話は一章なんですが、この一章のメインがウロボリアの登場と絶体絶命のピンチを救ってくれるアビゲイルだった。

今回で楽しみにしてたシーンが二つも回収されました。

このコミカライズ特有のスピード感、癖になる…!

実際、今のアゼル達じゃ敵わないし長々戦うよりかはすぐにアビゲイルが合流して戦ってほしいですね。

なかなかアゼル達を倒せない姿を見てると、ウロボリアに対する評価も下がるし、今はすぐにアビゲイルを合流させて戦闘させた方が良い。

この采配は神がかってたと思います。

こういう作者独自のセンスが、ゲトメアコミカライズは面白い…!


アビゲイルvs.ウロボリア、勃発!!

重大な国際問題を冒してまで、エストレア領に来た「目的」を問うアビゲイル。

ウロボリアは「聞きたいですか?なら教えてあげますよ…私に勝てたならね」と答え、今回は伏せたウロボリア。

アビゲイルは「戦争でも起こすつもり?」と聞いていましたけど、これは的を射てそうですね…。

ムーンガルドは、ゲトメアの取扱説明書によると「エストレアを攻め滅ぼそうと画策する西の大国」だと説明されてました。

原作ゲームのストーリーでその点に触れられていたかどうかはちょっと覚えていないんですけど、この説明的に「戦争」を起こすつもりなのだと思います。

「攻め滅ぼす」という事は、攻撃を仕掛けるという事。

当然、エストレアもそれに黙ってはいないですし、自国を守る為に反撃に出るとなると「戦争」は免れないですよね。

ムーンガルドもそれを分かってると思うし、そこまで読んだ上でやはり目的は「戦争」を起こす事なのではないかと思います。

そして、始まるアビゲイルvs.ウロボリア。

「聞きたいですか?なら教えてあげますよ…私に勝てたならね」「イエスって事かしら」ってやりとりがお洒落。

要は、アビゲイルからしたら「私が当然勝つんだからあなたの目的を教えてもらうわよ」って事ですよね。

七星騎士団として強い自信を持ってる。

だから、ああいう言い方をできる。

「勝利」しか見てないアビゲイルがかっこいいです。

エマが憧れるのも分かる。

二人が対峙するラストページもかっこいい。

ちょうど上と下で真っ二つに割れたコマに、向き合う二人が描かれてる。

ウロボリアは持ってる杖を前に構えて、アビゲイルも炎の剣を構えてる。

マジで戦闘が始まる5秒前。

こういう「開戦」を示唆するヒキは熱いです!