Gate of Nightmares第4話『ボアクリフ』感想 | ルーメン・イストワール

ルーメン・イストワール

真島ヒロ先生を応援しています。
EDENS ZERO/Mashima HERO'S/FAIRY TAIL/RAVE



扉絵

扉絵は、サンタコスのエマちゃん。

これはもしや…?!と思って、比較して見てみたんですけど、ゲトメアの方で実装されているサンタ衣装のエマと同じ服装ではないんですね。

コミカライズの方には特徴的な緑のリボンは付いていなかった。多少簡素なコスチュームになってはいる。

しかし、図らずもコミカライズと実際のゲームでのクリスマスイベントでエマがサンタになったのは、妙なシンクロを感じます。

よくあるベタなシチュではあるけど、ファンの自分としては「エマ」という存在に対するイメージがコミカライズの作者さんと本家で一致しているのかなーなんて好意的に考えたい。

相棒のルーとプレゼントを配るエマが可愛い。


エマの戦闘

VS.ボアクリフ。

ゲームにはいないような巨大サイズのボアクリフは「私には無理だから」とアゼルに任せ、エマは小型サイズのものと戦います。

エマが「ムーンアロー」を放った時の「私だってやる時はやるんだから…!!」という台詞、ゲームでエマが奥義を放つ時の掛け声では…!?と妙な既視感を感じて、見返してみたのですが、若干違いました。

ゲームの方は「あたしの弓は百発百中なんだから!!」でした。

コミカライズの方は対象が「自分自身」で、ゲームの方は「自分の弓」を指していますね。

厳密に言うと違いますが、同じような言い回しになってるあたり、作者さんが意識的にそういった言い方にされたのか、それともこれもエマに対する解釈が本家と合ってるのかな。

コミカライズとして、別の作者が描いている以上、多少のキャラ崩壊は仕方ないかなと覚悟してるんですけど、今のところキャラ崩壊どころか「分かる!」と思える瞬間が多くて素晴らしいです。

作者さんが気合入れて、キャラクターや作品理解を深めてくれているのが分かる。

こういう「らしさ」を尊重してくれるスピンオフ作品、本当に感謝しかないです。

エマのこの「〜なんだから!!」って言い回し、彼女の負けん気の強さが出てるもんなー。

全面的に自信を持ってるわけじゃないけど、自分の一部分においては誰にも負けないぐらい強い自信を持ってる。

そんな彼女の考え方やスタンスがよく出た発言。好きです。

フェアリーのルーが「妖精の鱗粉」というコミカライズオリジナルの技を使って、戦闘に貢献していたのも良いですね。

エマに頼まれる事で、ルーが浴びると危機を察知されにくくなる鱗粉を撒き散らしていました。

これは、ゲームに存在しない機能ですけど、確かにフェアリーっぽい…!

こういうことできそうだもんな〜!

見た目的には、どっちかっていうとサポートキャラっぽいですもんね。

こういう原作にはない要素をしっかり物語に活かして出してくれるのが素晴らしいです。

ちゃんとナイトウォーカーがナイトメアと協力して戦ってる感が出てる。


アゼルの戦闘

アゼルの戦闘も面白かった〜!

まずエマサイドから場面転換した時点でアゼルがボアクリフに吹っ飛ばされていて「くっそー強ーな!!」ってリアクションしてるのが本当に強者感出てたし、そこからの垣間見えたアゼルの本気に熱くなれた。

どれだけ続くのか分かりませんが、ボアクリフはアゼルとエマの冒険において初めての戦闘ですし、今後更に強いナイトメアが続々出てくると思うんです。

いつかは相対的にザコくなってくるであろうナイトメア。

なのに、ここまで「強そう」だと感じさせられたのが漫画的に面白かったです。

真島先生もFAIRYTAILなんかだと、毎度これどうやって勝つんだよって強敵を何人も出してくるのが恒例でしたけど、それに通ずるものを感じます。

しっかり読者に強そうだと思わされる描写をしている。

だからこそ手に汗握る戦いになってます。

序盤ながら、見せたアゼルの本気も良かったですー!

「まだまだ火力が足りねえ」という事で、ベビドラの炎を借りて、熱量を上げる…!

ベビドラが炎を放つと、アゼルとベビドラの周りに炎が収束するような光景を生み出していました。

めっちゃかっこいいです。

いわゆるオーラを纏った状態的なロマンもありつつ、かといってアゼルはナイトウォーカーなので、人間離れしすぎた事をしているわけではない。

あくまで人間の範疇で受け入れる事のできるパワーアップ。

理屈どうこうではなく魂が熱いです。心の底からかっこいい。

コマ割りが斜めになっていて、アゼルとベビドラの立ち位置も斜めになっている見せ方もグッと引き込まれました。

作者さん、しっかり真島作品のアクションを描けてるな…!

からの「まだだ!!もっと!!もっと!!もっとーー!!!」も、まだ更に熱量を上げるのかとテンション上がりましたよ。

炎に囲われたような光景だけで見映え抜群だったのに、まだ燃え上がるのかと。

1ページ丸々使った大きな炎を包んだ剣の描写がかっこよかったです。

今回で完全にアクション方面でも信頼が置けたぜ。


ボアクリフ

話の展開は読めましたねー。

小さい方のボアクリフが戦いはせず、茂みに隠れていって、それを追ったエマが見た衝撃の光景とは。

アゼルの攻撃を制止して、エマが説明しました。

ボアクリフは、傷ついて動けなくなっていた我が子を守る為にアゼル達を追い払おうとしていただけだと。

よくあるベタな話のやつですね。

過去に何で見たかパッと思い浮かばないけど、めちゃくちゃ既視感を感じるオチです。

予定調和というか、単調な話の結末ではありますが、これぐらいシンプルな話の方が実に王道ファンタジーらしてくて良いと思います。

作者さんも、シンプル過ぎるが、これぐらいストレートな話の方が真島作品に合ってると判断されたんだろうな。

その感覚が間違っていないと思います。

これからも今回ぐらい王道を突き進んでほしい。

それを知ったアゼルが「ごめんな 何も知らねえで傷つけた」と素直に謝ったのも実に王道主人公らしい清涼明快さでした。

自分の非を認めて、すぐに行動に移せる姿勢が見てて気持ち良い。

良い子な主人公で安心して読めますね。

こういう良い意味での柔軟さ、好きだわー。

着実に登場人物への好感度を上げていくゲトメアコミカライズ、面白い。

話のラストは、エマのお姉ちゃんとの写真を見て終了。

前々回始まったアゼルとエマの冒険のチュートリアルが終わった感覚でしょうか。

2話の終わりにアゼルが言った「オレは難しい事はよくわかんねーけど姉ちゃんもエマの事待ってると思うぞ」という言葉を思い出すかたちでエマが「待っててね きっと捜しに行くから」と決意を新たにしました。

良い読後感!エマが目的意識を強める良いエピソードだったと思います。