FAIRYTAIL100YEARSQUEST第75話『水の記憶』感想 | ルーメン・イストワール

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■扉絵

扉絵は、再会を祝してルーシィとアクエリアスのコンビ!

ルーシィの服装を見るに、これはおそらく100年クエスト時点からは9年以上前のナツ達と出会う以前ですかね?

そうやって考えると、凄く感慨深いシチュエーション。

こういう読者が知らなかった頃の前日譚的な側面が垣間見える好きなんですよね。

個人的には、100年クエストに入ってから扉絵の中でもトップクラスでお気に入りです♪


■アクエリアスvs.ルーシィ

アクエリアス、感動の再会を果たしてもすぐに以前とは変わらないペースを取り戻していて笑いますねww

敵に操られておかしくなっててもお構いなしに「つーか何だヨ その格好 そんなんで男を誘ってるつもりかァ?」とキレ気味。

これぞアクエリアスだなと懐かしく思えました(笑)

通常の状態であれば、ルーシィも怯えてたんだろうなって様子がイメージされます( ˇωˇ )

濡れ女の使う力も、水属性でしたから、アクエリアスとの戦闘の場合、同属性同士のぶつかり合いになって、ポケモンだったら「効果はいまひとつのようだ」と出てくるところですね。

相性が絶望的に悪い濡れ女ルーシィに対してアクエリアスがとった行動は、ビンタ…!!

良いですね、ビンタ…。

これに関しては意外と笑う気にはならなかった。

ここでも相変わらすのアクエリアスの懐かしさに浸れてちょっと感動を覚えるレベルでした。

アクエリアスは、きっとこのビンタされた感覚でルーシィに自分の事を思い出させようと考えてしたのもあるんでしょうか。

あと、モード雷炎竜になったナツに「オイ…ルーシィを殺す気か」と抑制していたので、ルーシィを殺すような事にはならない攻撃としても理に適っていたんですね。

いくつかの意味が集約されて「ビンタ」という攻撃になってて面白かったです。

対してルーシィの方もビンタし返そうとしましたが、それすらも片手で受け止めて、また更にビンタするというアクエリアスの無双っぷり。

これだから、ルーシィは一生アクエリアスに敵わないだろうな〜(笑)

ナツも思わず怯えていたけど、これこそルーシィとアクエリアスの関係らしい。

おかしくなってしまったら全力で止めてくれるアクエリアスの頼もしさが凄いです。


■ルーシィへの愛情

「私に勝とうなんざ…100年早ェんだよォ!!!!」と更にビンタする気配を見せたと思ったら、最後はルーシィを抱きしめたのも愛を感じる行動。

ルーシィが「一なる魔法」の解として出したものであり、エンジェルに仕えていた時代のジェミニも「ルーシィは心から愛しているんだ…星霊を」と言っていた「愛」。

ルーシィが星霊達に向けていた深い愛がアクエリアスから返ってきたかのようでした。

冥府の門編であれだけ悲しんでアクエリアスと別れたルーシィだからこそ訪れた必然的な再会の仕方。

ここもめちゃくちゃグッときました。

ああやって乱暴に扱うアクエリアスではあるけど、その根底には愛があるんだなと。

冥府の門との戦いの時に「こんな小娘大嫌いなのに…大嫌いなのに…感情が…止められない…もう会えないなんて……淋しいよ…ルーシィ…」と気持ちを吐露していた時の良い意味での意外さを思い出します。

あの時も内心それだけルーシィの事を大切に想っていたんだなとちょっと驚いたのを覚えています。

もちろんルーシィが一番長い事契約していた星霊で、ルーシィにとって初めての友達だったんだから、それだけ情深くても何もおかしくないんですが、何というか感じていた以上に深いところにアクエリアスのルーシィへの愛があるようで、驚きと感動があるんです。

普段、そんな素振りを見せないアクエリアスだからここぞという時に見せるルーシィへの愛情が際立って見える。

「思い出せルーシィ お前は妖精の尻尾の魔導士だ」あたりの言葉は、冥府の門編でジャッカル達と戦った時の星霊王の代償召喚術時の言葉を思い出します。

あの時もこんな風に「いつまで甘えているんだ!!!!今仲間を救えるのはおまえだけなんだぞ!!!!大事なのは思い出か!!?鍵か!!!?罪悪感か!!!?違うだろ!!!!仲間を救う力だ!!!!星霊魔導士としての力だ!!!!」と強くルーシィに呼びかけていた。

あの時ほど強く言ってるというわけじゃないけど「思い出せ」と「お前は◯◯だ」というような言い方をして強く言い切ってるところに同様の精神性を感じます。

ルーシィが道に迷っていたら、いつだって正しく先導しようとしてくれてるのがアクエリアスなんですよね。

ちょっと乱暴で残酷な事を言って自分を悪者にしようともルーシィを導こうとしてくれる姿勢がアクエリアスらしいと思いました。


■水の記憶

ルーシィとアクエリアスのこれまでの日々の回想はめちゃくちゃ感動的だなぁ…!!

原作本編の最終話でもナツと出会って妖精の尻尾に入ってからの日々をこんな風に回想する演出がありましたが、やっぱりこういう見せ方はずるい。

絶対感動するし、大好きな表現技法です。

中でも、一つ幼少期のルーシィとアクエリアスだけ描き下ろされているのが素晴らしい。

他は本当に原作本編で描写されたものだけど、一番最初の「アクエリアスー高い高ーい」「降りろボケェ」だけ原作本編では描かれていないもの(と記憶している)。

おそらくアクエリアスと出会って間もない頃。

384話の回想でも一コマだけ描かれた「人魚!!人魚!!」と同時期ですかね。

ルーシィはアクエリアスが「あたしの初めての友達」だと言ってましたので、やっぱりこの当時のルーシィとアクエリアスの友情は特別尊さを感じます。

その回想を通して「私との絆も忘れちまったのか?」なんて、そんなの忘れるわけないでしょ!!

アクエリアスとの絆を忘れるわけないって思うに十分過ぎる描写で説得力の塊でした。

ある意味、あざとすぎる演出だと思います。

アクエリアスと過ごした日々の回想がそのままアクエリアスとの強い絆を表しているんだから、盛大な前振りみたいでした(笑)

個人的には、結局感情論的な解決方法になるとしても、一度セレーネとヨウコが「あはははっ そのパターン来ると思っておったぞ」「ご安心くださいセレーネ様 私の妖術はこの類のものではやぶれませんので」と事前に予防策貼られていたのが良かったと思います。

アクエリアスは「私の水は記憶の流れだ」とも言っていたので、ルーシィがアクエリアスとの日々を思い出し我に返ったのは魔法の効果の一種でもあるんじゃないかと思っています。

間違いなく感情論的な要素も重なってヨウコの霊術が解けたんだとは思いますが、一度「この類のものではやぶれませんので」と予防策が説明されていたからこそ、ルーシィの想いの強さが際立っていたと思います。

FAIRYTAILは感情論的な解決の方法が多いしそこが残念な時もありますが、今回に関しては良かったと思います。

アクエリアスはルーシィにとってそれだけ大切な相手であるのは間違いないし、一度「この類のものではやぶれませんので」と説明されてからの解決になっていたからこそ、その感情論が他とは違う特別なものになっていて嬉しかった。


■元に戻ったルーシィ

ルーシィ、本当に良かったね…!!

もうルーシィの「アクエリアスぅ〜」って流した涙にこっちも感極まったよ。

冥府の門編とはまた真逆の状況で流した涙というのが美しい。

あの時と違って、今回の涙は容易に受け入られます。

あの時のルーシィの涙は見たくないものを見てるような感覚でしたが、今回のルーシィの涙はじっと受け止めて喜びたい気分になりました。

「私たちは友達だろ」良いですね…。

384話でもルーシィはアクエリアスの事を「あたしの初めての友達」と表現していましたし、469話でも「必ずあたしが見つける!!!!あたしの親友だもん!!!!」と言っていました。

アクエリアスもそう思っていてくれたとは思いますが、どちらかと言うと「私とはそれだけ強い絆があるとおまえが言ったんだろ」という意味が強く言っているんじゃないかと思いました。

「友達」という言葉をある種の反語にしてルーシィを奮い立たせているように自分は思いました。

「久しぶりに二人で暴れてやろうじゃないか」良いなぁ〜〜!!

良いの?数億年振りにルーシィとアクエリアスの戦いを見せてもらって!?

ぶっちゃけルーシィとアクエリアスの再会だけじゃ冥府の門以降でアルバレスとの最終戦争でも一度見てたから、戦うってなると本当に冥府の門以来で嬉しい…!

まだ本当にアクエリアスの鍵を見つけて再契約すらできていないのに、二人の戦いが見れるなんて何だか凄く贅沢に感じる。

こんな風に感じれるのは、FAIRYTAILのキャラ多しと言ってもアクエリアスぐらいでしょうね〜。

1話から登場している最古参キャラでありながら、一度別れを経てる感動は伊達じゃない。


■グレイvs.水虎

一方、水虎と化したハッピー&シャルルと戦闘中のグレイは、氷の魔法が効かない…?!

ウェンディは「霊力の前では氷の力は無力なんです」と説明していたけど、水虎は名前に「水」が付いてるので、「水」属性に強い耐性があるとかなんでしょうか?

とすると、濡れ女ルーシィに続いて水属性の妖怪が多い事になる…w

何となくそこに違和感は感じますが、水虎に水系統の属性の魔法に耐性があるんだとしたら、グレイが苦戦を強いられて面白いですね。

あと、霊術を駆使する妖怪は、背筋が凍る怪談に出てくるから…みたいな理屈で、冷たい能力は無効化しているみたいな原理も思い浮かびました。

何にしても、氷魔導士であるグレイが氷の力が効かない敵を相手しているという状況が面白いので、できればナツ達の助っ人を介さず自分の力で危機を切り抜けてほしいところ。