今月16日、「奈良教育大学附属小学校で不適切授業が行われていた」と報道があり、16日夜に保護者説明会、17日午前に記者会見が行われ全国的なニュースとなりました。


この件を最初に報じたのは、フジサンケイ系のメディアで16日午前に報じられました 。「検定教科書使われず学校教育法違反も|FNNプライムオンライン」

私は、保護者説明会前に報道があったことに疑問を持っています。誰がなんの目的で内部情報を漏らしたのか?このことが一番の問題だと思います。このFNNニュースの配信時刻は16日午前です。本件に関する保護者説明会は16日18:30から大学講堂で行われる予定で、在校生保護者には9日の始業式の日に案内が配布されていました。


※在校生保護者より提供のあった案内文


保護者説明会案内通知には「令和5年度3学期から実施いたします授業の実施方法に関する説明会」としか記載されておらず、説明会の詳細は伝えられていません。午前の報道を見て不安に思った保護者から私のところにも問い合わせがありました。説明会前の報道であったことにより、不安に思われた保護者も多くおられました。このことを私は問題視しています。なぜ説明会前にこれほど詳しく報じることが出来たのか。残念ですが関係者により事前に情報がリークされていた?!と疑わざるを得ません。


ではなぜ保護者説明会前に情報がリークされたのか?ここが最大の疑問です。今回、附属小学校のこれまでの教育課程で学習指導要領違反や未履修科目があると問題になりましたが、それ以前に本来漏れてはいけない内部情報が漏らされていた問題を指摘しておきます。報道機関は取材に基づき事実を報道されるので、今回でいえば報道機関に問題はなく、報道に情報をリークした側に問題があります。


【問題の本質】

説明会後に附属小学校ホームページに報告書がupされました。

https://www.nara-edu.ac.jp/news/report20240117.pdf

3ページの経緯を確認すると、令和5年5月26日に「奈良県教育委員会から学長に、外部から当校の教育課程に問題があるとの話を受けている旨の連絡あり」と記載がありますが、外部って誰?内部の教員しか知り得ない教育課程の詳細を県教育委員会に知らせた人物は誰なのか?私はこの附属小学校と県教育委員会とのやり取りも疑問に思うと同時に、学校の内部情報を県教育委員会に伝えたことに問題はないのかとか考えています。このことについては情報提供を受けた側の教育委員会への開示請求も可能かと考えますし、場合によっては法律の専門家にも相談しながら、内部情報の取り扱いに関して調査を進めたいと考えています。


今までの教育を壊さないで欲しい

奈良教育大学附属小学校のこれまでの教育において不適切指導があった事実については、学習指導要領の違反により未履修となる科目があったことについて反省が求められる事案でありますし、在校生・卒業生への対応とケアが必要であること思います。しかし附属小学校のこれまでの教育は多くの児童と保護者に認められており「附小の教育は変えないで欲しい」との声も多くあることをお伝えしておきたいと思います。

説明会と会見後の報道では、保護者説明会で「この学校の教育がいい」「今後もこの姿をなくさないでほしい」「今までの教育を壊さないで欲しい」という趣旨の声があがったことを報じています。


私は、奈良教育大学附属小学校の教育後援会会長を務めています。長男は奈良教育大学附属小学校と奈良教育大学の卒業生で、これらの縁もあり長く教育後援会会長を務めています。「教育後援会 」は教育内容や方針に関わる組織ではなく、奈良教育大学附属小学校の教育を支える組織として、保護者及び卒業生又は卒業生保護者にご理解とご協力求め、金銭的支援をお願いしている団体です。ただ私立校にある「寄付」ではなく、教育環境整備費としてお預かりしたお金はすべて大学会計に送金し、教育に必要な会計を小学校から大学に請求し支払われており、年一回の総会では決算報告も行っていいます。


奈良教育大学附属小学校で学ぶ児童には笑顔が溢れています。学校は児童・生徒を一番に考え教育を行うところであり、先生と校長の権力抗争のような事態に陥った今回の問題を残念に思います。


この問題はさまざまな側面が見て取れます。17日掲載された校長の挨拶文には、「職員会議の決定権が強く校長の権限を制約していることなどに疑問を感じました。その改善に向けて職員会議に提案や指示をすることで本来の姿を取り戻したいと努力しましたが、私自身の力不足によりその改善を図ることは出来ず、今回このようなことになってしまいました

このように記載されています。赴任してきた校長が教職員と対立した結果、今回の事案に至ったと疑われてもしかたないと思われます。

残念です。


附小の教育が好きで学ぶ児童と、子どもを附小で学ばせたいと思い進学させた保護者の気持ちを大切にし、附小の教育を守り、子どもたちの笑顔が溢れる附小をこれからも見守っていきたいと思います。