雑多な人達が

その人なりに気ままに暮らす

ゴチャゴチャした街。

それがニューヨークに住んでいる頃の

イーストヴィレッジのイメージ。

 

現在はおしゃれなカフェやらが増えて

だいぶ上品な雰囲気になっているけど、

ミッドタウンやアッパーイーストなど

他のエリヤとの比較においては

まだまだ昔の「空気」が残っている。

 

きのうYoutubeにアップした

「ニューヨーク人間模様」は、

イーストヴィレッジを中心に

【ヴィレッジ界隈】を撮影したもの。

 

ミッドタウンを少し眺めたあと、

二番街をNYCバスで南下。

ダウンタウンに向かっています。

 

 

 

 

イーストヴィレッジで思い出すのは、

担当していた番組で取材した『詩』の世界。

 

ニューヨークには数多くの詩のグループがあり、
それぞれ、夜の教会や劇場などで
毎週、詩の朗読会をひらいていた。

“詩の朗読会”と聞くと、

どこか内気でナイーブな人たちの発表会

と思われがちだが、
それがそうでもないのだ。
詩を聞きにくる人も、詩を読む“詩人”たちも、
明るく、闊達な人が多く、
大抵の場合、それなりに人も集まった。

 

事実、天気の良い日などは公園で、

ノート片手に詩作に耽る

若い人たちをよく見かけた。

今ならスマホ片手に…

ということになるのだろうけど、

聞けば、日記をつける感覚で

詩を書いていると話していた。


取材したのはイーストヴィレッジにある

St. Mark's Church in-the-Bowery

という教会で開かれていた詩の朗読会。
数十人の人が集まっていて、
みんなの前で自分の詩を披露したのは、

15〜6人だった。

 

で、あらかた取材を終えたとき
一人の若い女性が私たちのもとに駆け寄ってきた。

キラキラした目が印象的な

18歳ぐらいの金髪の女性だった。


「私、父が空軍パイロットだったので、

2歳まで所沢に住んでいました」

 

名前はSuzy Timmonsといって、

朗読会では「Bed」というタイトルの

短い詩を朗読していた。

 

「私の詩、どうでした?」と彼女。
「良かったよ」と私。

「詩は表現の原型だと思います。

ペンと紙さえあればできるから」と彼女。

 

本当のことを言えば、難解な表現も多く、
理解できない部分も少なくなかったのだが、

まあ、それはそれ。

 

 

                   (当時の取材ノート・番組構成案)

 

あれからもう30年。

なにごともなく生きていれば、

現在彼女は50歳近くになっているはず。

いったいどんな人生を歩んでいるのだろう。

なんとなくだけれど、

スマホにトコトコと文字を打ち込んでいる

清楚な女性の姿が思い浮かぶ。

 

と、ここまで書いて「もしや…」と思い

『Suzy Timmons、poetry、New York』

 でググってみたところ、

 

『Susie Timmons-The Poetry Project』

という一行が検察結果に表れた!

さらに調べると何冊も詩集を出版されているよう。

いや、びっくり。

本当に驚きです。

現代のweb社会、やはり凄い。

 

名前の綴りは、

「Suzy」ではなく「 Susie」となっているけど、

これは私の取材ノートの方が間違っているはず。

多分、あの時の彼女だと思われます。

「1955年生まれ」

とあるので、私が取材したとき彼女は、

18歳ぐらいではなく、20代半ばだった訳です。

 

いやはやなんとも…

やはり詩人になっていた!

このような発見はとっても嬉しいですね。

きょうこのテーマで

ブログを書き出して良かった。

 

さて、

ついでという訳じゃないけれど、

ロビン・ウィリアムスが主演した、
「Dead Poets Society」という映画をご存知でしょうか?

当時、アカデミー賞候補になった作品で

地味ながらニューヨークではスマッシュヒット。

 

形にとらわれない、

自由な自己表現・感情表現としての「詩」を通して
教師(ロビン・ウィリアムス)が生徒に、
本来的な人間の生き方とは何かを教えていく。

ところが!

 

…映画の内容は省略します。

ご興味のある方はどこかでレンタルするか

ネット検索してみてください。

素敵な映画です。

 

ちなみに主演したロビン・ウィリアムスは、

映画専門誌PREMIEREのインタビューで
「ファーストフードを毎日食べているような

人たちに見て欲しい映画だ」
と答えていました。

 

本日は、以上です!