お店の入口の檻扉が開いて
多数のお客さんが入ってきた
『いらっしゃいませぇー✨』
条件反射的に
お客様をお迎えするキョコママ
しかし
すでにお店の中は満員御礼
今宵はキョコママの最後だから
これからも常連客をはじめ
大勢の客が押し寄せてくるだろう
その状況を見て
変態はとっさに動く
『キョコちゃん、お勘定してくれる』
ビックリするキョコママ
『えっ👀⁉️ さっき来たばかりじゃない💦』
マシン『一人でも多くのお客さんを迎えてあげて』
キョコ『………ごめんねぇ』
マシン『うん、じゃね』
お会計を済ませて
さっさとお店を出た変態
ホントはこんなんじゃなかった
ホントはこんな事したくはなかった
ホントはデュエットで
「ふたりの愛ランド」を歌いたかった
(夏夏夏ココナァッツ~♪ 愛愛愛愛愛ランドゥ~♪)
自分は、不器用なんです
最後の閉店まで居て
『お前の白い肌に
今夜こそ俺の歯形ばつけてやる‼️』
と、キョコちゃんの頬っぺたを張り飛ばし
渋谷のホテル街に消えていくという
青写真があったのに…
そうしなかった自分に嫌気もさしたが
「オレ、よくぞ決断した」
と誉めてやりたい複雑な感情が脳内を駆け巡る
コウジ君と花子と3人で
トボトボと歩き始めた時に
『待ってぇー✨』
と、キョコママが駆けつけて来てくれた
キョコ『来てくれてありがとねぇ✨』
マシン『うん!』
キョコ『ホントにありがとう✨』
と、あの真っ直ぐで
大きな瞳を変態に向けてくる
嗚呼
この瞳で今まで何人もの野郎が
轟沈したんだろうか…
『今度デートする時は
愛車ジャガーで迎えに行くよぉ🎵』
ホントはこう言いたかったんだが
その言葉を飲み込んで
強くうなづくだけにした
最後にお店の前でパシャリ📸
キョコちゃんが渋谷で迎える最後の夜は
まだまだ続きそうだ
だが、
変態の渋谷の淡い夜は
ここで終わりを告げる事になった