いよいよ
我等が桜庭和志の試合となった
誇りのSAKUベルトを持って
最前席を颯爽と立つ
その時に何となく
一抹の不安を感じた変態
(ひょっとして…
これが最後になるかもしれない…)
そう思った変態は
隣にいた悪魔将軍女に声をかけた
マシン『俺に何かあった時は… サクマシンは両国の風になったと皆に伝えてくれ』
悪将女『(笑いを懸命に堪えながら)……わかったわ』
遺言ではないが
そう言って
リングサイドへ向かった
いつものプロレス大会より
警備員や係員の数が多いことに今気づく
さぁ
あの場所で
あのリングサイドに立って
己の責務を果たすのだ
やがて
対戦相手のマレア選手が入場してきた
変態もフェンス前まで来て
しゃがみ込んでスタンバる
すると
『ちょっといいですか?』
と、肩を叩かれた
振り向くと
バシッと決めたスーツ姿の係員
おそらく
ここにいる係員の責任者なんだろう
『ここに居られるという事は、大会の関係者ですか?』
ズバリ
そう問われた
嗚呼
やはり俺の人生は
スムーズにはいかねぇなぁ
このスーツ男を撃退させない事には
変態応援ができないのは明白
反撃の狼煙が上げられない
ならば
選択の余地は無い
変態は覚悟を決めた