ふたご座流星群が降り注ぐ夜のこと | 寺田和彦のブログ

ふたご座流星群が降り注ぐ夜のこと

都内でも、月明かりが無くって雲が無い今宵、ふたご座流星群が流れている。


そんな、流星の如く輝くシェフに昨晩お会いした。名前を小林隼人(敬称略)という。
フランスに3年半修行に行かれていたらしいが、そんなことより凄いのだ。

何がって、皿が・・・

まだまだ荒削りのところもあって、それはそれで好感が持てるし何しろ昨夜の晩餐に逸品の皿があったのだ。

答を先に、皿は「フランス・ラカン産の窒息仔鳩」なのだ。

何を食べ手に訴えればいいのかを良く解っっているシェフの調理で、添えられた根セロリのピュゥレ、山葵菜、そしてアルプス乙女の林檎にもしっかりバターが加えられちゃんと「美味しい」を助長する当然素材の良さは言うに及ばず、しっかりと考えられた窒息仔鳩の部位による異なった調理法を用い、それが一皿に融合した時に喰べ手であるこちらが感じる高揚感をも、憎いほど計算された、ほぼ現時点では完璧なViandes(ヴィアンドゥ)が供されたのだ。

構成要素の事をエレメンツって呼ぶけれど、まさにエレメンツをよく理解し、さらに分解して構築された美味しくって野趣も同時に感じられる素晴らしい皿だった。

あんまり褒めない(特にフランス料理を褒めない)私だけれど、本当に美味しい料理だった。

聴けば小林シェフ36歳と言う、いい料理人と出会えた春藤祐志さんも嬉しそう、いい年末年始のスタートを飾れそうだった。

こうして店は進化する、進化しない、出来ない店は、東京それも港区・渋谷区では確実に生き残れない。
次なる皿に期待しつつ、ふたご座流星群を見送った夜だった。


オレキス (OREXIS)

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