奈良の歴史建造物と寺院を回るツアー
奈良の実家で過ごした昨晩は夜中3時に目が覚めて、
一度布団を出てデスクで本を読んで過ごし、再び布団に入って朝を迎えた。
この日は、妻と埼玉の義理の母が関西に来て、母と一緒に奈良の観光地をまわる特別な一日だ。
半年前から楽しみにしていた日の前の晩は、寝ようと思うと余計に寝付けなかった。
起きて洗面所に写った顔はいつもより腫れ上がって、写真に映るのに抵抗を感じる姿だった。
ダイニングで母親が用意してくれた朝食は、具が盛りだくさんの味噌汁と卵焼き、
サバ切り身と白ごはんで心も胃袋も満たされる。
食べ終わってすぐに着替えて、母と一緒に車に乗る。
コックピットに座り、母が助手席に座り、妻と義理の母が泊まるホテルまで迎えに出発する。
実家から5分ほどのJR奈良駅前のホテルに到着して、
母と義理の母とが2月の東京での顔合わせ以来の2回目の対面を果たす。
今度は助手席に妻が座り、母と義理の母が後部席に座って8:35に出発する。
最初の目的地は、花の御寺 長谷寺。
車は下道で奈良県内を南下して進んでいき、田園風景が広がっていくなか1時間で到着した。
日曜の午前中の長谷寺は観光地という賑やかさや華やかさはなく、山間の立つ普通の寺院という特別感はなかった。
駐車場から出て寺院に向かう途中に、長谷寺が舞台となった鈴木亮平のいざいざ奈良へのJR東海のポスターが掲示され、
少しだけ観光気分が高まる。
そして寺院の入り口の入場チケットの販売窓口へ行き、4人分を一万円で払おうとしたら、
千円札にご協力いただけませんか?と万札が快く思われなかったらしく、
横から妻が釣り銭無しのちょうどの金額を出してくれた。
入り口の正面に聳え立つ大きな門の前で写真を撮る。
そして、門をくぐって中へと入ると、そこは異次元の世界だった。
テレビのCMで見た、天井に灯篭が吊るされた、延々と石畳の階段が続いていく登廊の光景は、
まるでアニメで見るような世界だった。
本堂へと続く登廊を上がっていく心境はこの光景をずっと味わっていたいと感動しっぱなしだったが、
残りの三人は延々と続く坂道に体が悲鳴を上げていたようだった。
全部で399段と言われる石段を登り終えてたどり着いた本堂は、山の高さから地上が見渡せて天空の寺院という感じだった。
本堂は参拝客の混雑はなく、歴史ある建造物の中をじっくりと見ることができた。
本堂の外の通路に立つと隣の山の寺院が見えたり、ずっと連なる山々が見渡せ、
ついつい写真に収めたくなる光景だった。
彼岸花が咲いて色付いた長谷寺をバックにして、次に目的地の明日香村へ向かう。
車で山奥をさらに30分ほど南下して、明日香村へ到着する。
明日香村の案山子(かかし)ロードに行き、
辺り一面に広がる棚田の原風景と案山子の創作品とのコントラストを見て、
奈良の良さ、田舎の良さをしみじみと感じた。
次の訪問先の飛鳥寺は、日本で一番古い大仏と言われる飛鳥大仏が祀られている。
寺院の住職さんが仏像の歴史を丁寧に説明してくれ、また写真撮影は自由とのことで、
一見の価値がある場所だった。
お昼は予約した古民家カフェのことだまに行った。
古い街並みの一角に佇む古民家を改装した可愛い店構えのカフェだ。
店内に入って靴を脱いで、大きな広間の席へと案内される。
家の近くにあったらいいなと思う、落ち着いた雰囲気の店内でとても気に入った。
注文したことだまランチが運ばれてくると、
2段重ねの御膳は惣菜が小分けにされて色彩が豊かで、ボリュームもあって大満足な内容だった。
お昼を食べ終え、日本最古の神社の大神神社へと向かう。
大神神社に到着すると、本堂に向かう参道は古い樹木に囲まれてパワースポットを感じる。
本堂で参拝した後は、奥へと続く道をさらに進んで、薬井戸に行って湧き水を飲んだ。
境内を散策し回ると1時間はかかった。
午前中から歩き回ってきた足がそろそろ疲労を感じ始めた頃だった。
奈良県中部の歴史ある寺院を初めて訪問した妻と義理の母も、大満足していた。
東大寺や奈良公園とは違った、奈良の観光の魅力を紹介できたツアーになったので良かった。