朝の配食の準備が終わると、朝食だけ、私たちが先に食事をいただきます。
それは、先に食事をしないとその後は忙しく食べる時間が無いためです。
私たち衛生係が食事をしている間に、職員が収容者の点検を行います。
職員が各部屋ごとに部屋番号を呼び一人ずつの状況を確認して回ります。
雑居房の場合は、部屋番号を呼ばれたら、古い順番に1(いち)から7(し
ち)までの通し番号で確認をしていきます。
ここでは、番号を言う時に、4は”よん”ではなく“し”と言い、7は”なな”で
はなく“しち”と言わなければ、注意を受け言い直しをさせられます。
点検終了後に職員に「配食!」と放送を入れてもらった後、最初に粥食を先配
りした後、1週間毎に変わるローテーション(四箇所)に基づいて衛生係二人
で配食をしていきます。
私がご飯と添え物を入れ、もう一人が味噌汁とお茶を入れて行きます。
私が担当するフロアーは独居だけで定員が57名となっており、全員の配食が
終わると直ぐに空上げをします。概ね10分から15分程度で食事を終えられ
ますので、続いて空上げをします。
この空上げが終わると、もう一人が直ちに洗濯物の回収を行います。
洗濯は、曜日や季節によって変わります。
因みに拘置所での洗濯は下着のみで私服は基本的に洗濯はしません。
どうしても、私服を洗濯してほしい場合は、“願(がん)せん”と言う書面に
洗濯をしていただきたい旨を書き、許可をもらわないと洗濯をしてもらえませ
ん。
また、Tシャツでもプリント柄がある物は、洗濯工場でチェックされて担当職
員が洗濯しできない旨のメモを付けて返却してくる時もあり、多少のことは目
を瞑って洗濯してくれれば良いのにと思いましたし、一部の職員もその様に言
っておりました。
この様な所には、臨機応変という言葉がないのは分かってはいますが、本当に
何かに付けてやり難く感じました。
確かにプリント柄によっては、乾燥機にかけてプリントが焼け、溶けて他のシ
ャツに柄の一部が着いても、機械に着いてもいけませんが、臨機応変にできな
いものかと思いました。
また、毎週金曜日には、有料洗濯として申込みができるので、私服は、お金を
支払って洗濯することが基本でした。
ですから、普段は、下着、官衣、敷布等を曜日ごとに洗濯をしています。
洗濯を回収する時に、各々の洗濯物の点数を専用の用紙に記載して、後で配布
する時に間違えのないようにしています。
また、下着等それぞれに片布(へんぷ)を縫い付けてあり、そこに、自分の称
呼番号と部屋番号を書いてもらって、洗濯が出来上がったらその片布を見て部
屋ごとに仕分けをします。