インフレとデフレ【初級編】では

それぞれの意味の説明と、

インフレの落し穴について学びました。


インフレは好景気を表しますが、進み過ぎるのもよくありません。

今回は、インフレはどこまで許されるのかを学びます。


インフレの進み具合悪いを

インフレ率(物価上昇率)と言います。


先進国の政府機関は、

経済が好景気で安定している状態を保つために、目標とするインフレ率を2%と定めていることがほとんどです。


このラインから上がりすぎるとバブルに向かいますし、下がりすぎるとデフレスパイラルに陥る恐れがあります。


ですのでこのインフレ率2%から離れ過ぎないように経済政策を行います。


別の講座で詳しく扱いますが

中央銀行が金融緩和や金融引締めを行い物価が2%で落ち着くようにコントロールしているわけです。


ちなみにインフレ率は加重平均と言う計算方法で求められます。


何故、単純平均ではなく加重平均を用いるかと言うと


例えば

2022年1月の時点でA商品・B商品・C商品・D商品の合計額が30万円だったとします。


2022年2月でも同じようにA〜D商品の合計額が30万円でした。


この結果だけを見ると物価上昇は起きてないように思えますが、

実はこうなってるかもしれません


1月

A商品→8万円

B商品→6万円

C商品→12万円

D商品→4万円

合計30万円


2月

A商品→10万円⤴

B商品→8万円⤴

C商品→6万円⤵

D商品→6万円⤴

合計30万円


このような結果を見て

果たして物価が変動してないと言えるでしょうか?


C商品は半額になりましたが

他の商品は2万円ずつ値上げされました。


もしかしたらC商品は贅沢品で

その他の商品は生活必需品かもしれません。


この場合単純平均を用いると


1月→7.5万円

2月→7.5万円


となり、政府は国民が抱える生活費の苦しみに気がつけません


それで加重平均を用いるのです。

加重平均とは、消費金額全体に占める割合い(ウエイト値)を考慮して物価指数を求める計算方法です。


加重平均の計算式は方式がいくつか存在し、

それぞれ求めたい数値に対応して方式を使い分けています。


◉重み(ウェイト)の計算に基準時点の消費量を使うのがラスパイレス方式

基準時点の価格 × 基準時点の消費量


◉比較時点の消費量を使うのがパーシェ方式

基準時点の価格 × 比較時点の消費量


ここまで加重平均について記述しましたが

正直、計算式など覚えなくても問題ありません。


ブログを読まれてる皆さんは、わざわざ

各政府機関が対象としてる品目をデータを引っ張り出してわざわざ難しい式に当てはめて計算する必要はありません。

各証券会社が掲載している経済指標を確認すれば大丈夫です。


インフレ率を表す指標は

【消費者物価指数(Consumer Price Index)】

です。一般的にCPI(シーピーアイ)と呼び、

とても重要な経済指標として世界中のアナリストや投資家が注目しています。


基本的に

総合指数とエネルギーと生鮮食品を除くコア指数が

前月比と前年同月比に別れて同時に発表されます。

どちらを見るべきかと言う点ですが、

前年同月比の方が前月比の発表と比べてやや注目度が高いです。


毎月発表されますので、必ず確認しましょう。



インフレの始まりは、住宅価格の高騰やエネルギー価格の高騰から始まります。


原油先物チャートや住宅販売件数、住宅着工件数の経済指標を見るのもインフレの予兆を感じ取る手がかりとなります。

住宅関連の指標も各証券会社が掲載していますので、誰でも確認できるようになっています。