★インフレとはインフレーションの略で【モノ】の値段が上がることで、日本語では物価上昇(物価膨張とも言う)と言います。


これは単なる企業の値上げとは少し異なります。

その国のモノの価値(物価)が全体的にあがることを指します。


ここで言う【モノ】とは何を指すのでしょうか?

皆さんの暮らしの身近なモノから、あまり馴染みのないモノも含まれます。


例えば、

米、調味料、生鮮食品、ガソリン、自動車、不動産などです。

あまり馴染みのないものとしては

工場で扱うパーツや、家や家具、飛行機を製造する時に必要な耐久財などが代表的です。


インフレには種類があります。


◉モノの値段はそのままで、モノの中身が減少するシュリンクフレーション

(シュリンクとは縮む・縮小するなどの意味を持つ)


◉コロナ禍によってもたらされた

中間層の貧困化を表すスクリューフレーション(生活必需品の上昇)


◉インフレ状態からは抜けているものの

デフレにはなっていない状態を指すディスインフレーション


◉過度なモノ不足や

政府による経済政策の失敗などによって物価上昇が過度に進み過ぎてしまうハイパーインフレ

(スーパーのパンの値段が1個1億円になることも...)


◉物価が上昇しているのにも関わらず

景気が悪くなっていく状態を表す

スタグフレーション(スランプフレーションとも言う)などがあります。



★デフレとはデフレーションの略で【モノ】の値段が下がることで日本語では物価下落(物価縮小とも言う)と言います。


その国の物価がどんどん下がってるわけですから、企業はヘタに高い値段でモノを売ることができません。

企業は値下げ競争に振り回され本来の価値よりも安く商品を売らざるをえなくなります。



ここまでインフレとデフレについて簡単に説明して来ました。

では、インフレとデフレどっちがいいのでしょうか?


消費者目線から見ると生鮮食品や生活必需品、レギュラーガソリンの値段が安い方が家計が助かりますから、一見デフレの方が良い知らせをように思えます。


しかし経済学目線で考えると...

基本原則として、

インフレは好景気(景気拡大)を表し、

デフレは不景気(景気縮小)を表します。


何故、そう言えるのでしょうか?


【デフレスパイラル】と言う言葉を聞いた事があるでしょうか?

デフレスパイラルは、一般的に悪い意味で表現される言葉ですが以下のサイクルを指します。


モノの値段が下がる→

企業が儲からない→

従業員の賃金の低下・ボーナスカット→

節約志向になる=より安いモノを求める→

企業は値下げ競争に走る→

さらにモノの値段が下がる→

企業はさらに儲からない→

さらに従業員の給料が減る→

さらに節約志向になる→....無限ループ



逆にインフレは、


モノの値段が上がる→

企業が儲かる→

従業員の賃金上昇・ボーナス増加→

高くてより良いモノを買おうと思う→

企業はより良いものを作ろうと設備投資や新商品の開発に力を入れさらに儲かる→

従業員の賃金がさらに上がる→

生活レベルが上がり消費のみならず資産運用も考えるようになり、更に経済が回る



どうですか?ここまで聞くと

インフレって最高の経済状態と思えるのではないでしょうか?


しかし、インフレにも落し穴があります。

ここでは代表的な2つの落し穴を取り上げます。

どちらも経済を知る上で非常に大切ですので覚えて抑えておきましょう。


インフレは好景気(景気拡大)を表しますが、インフレが進み過ぎると経済はいよいよ【バブル経済】に突入します。


日本でも皆さんご存知の通り

1986年末頃から1991年初頭までバブル経済を経験してきました。


当時を振り返ると、人々は『バブルの時は、良かった。』と口々に言います。


特に就職活動の面では今では考えられない高待遇が起こってました。

就活生には、ぜひ我社へ!と豪華食事を振る舞ったり、商品券を配ったり

完全なる売りて市場となっていました。

それだけ企業が脅威的に儲かっていたんです。


では、あの良かったバブル。

経済学目線では、どうでしょうか?


完全なる【危険信号】です。

バブル!ダメ!ゼッタイ!とまでは言いませんが、かなり危ない状態です。


皆さんご存知の通り、バブルは弾けるとその反動が大きく、とんでもない大不況を招きます。



インフレの2つ目の落し穴は

【スタグフレーション(スランプフレーション)】です。


スタグフレーションとは簡略的に言うと

物価上昇と景気後退の同時進行です。


インフレが進んでいる、つまりモノの値段が上がっているのに賃金はそのまま、もしくは下がり、消費が促されない状態です。


まさに経済のスランプ状態と言えるでしょう

脱コロナ相場では、先進国でこのスタグフレーション危機が注目されています。


この記事のまとめ


①インフレーションとデフレーションがある


②インフレは物価上昇を指し、デフレは物価下落を指す


③基本的にインフレは好景気を表し、デフレは不景気を表す


④インフレには2つの落し穴がある

バブル経済とスタグフレーションがある

バブルは経済の危険信号であり

スタグフレーションは最悪の経済状態を指す