野沢那智さんが、昨日午後3時36分にお亡くなりになりました。


20代のころから本当にお世話になりました。


劇団薔薇座のミュージカルに呼んでいただき、厳しいご指導をしていただきました。


「お前の役はダンスコンテストで優勝する役だから、こことここに行ってダンス習って来い。」
「いや、その前に僕ダンスやったことないんですけど」
「上手くなって来い!」
「あ、はい!」


夢中で稽古しました。
稽古中に何度かピーナツを投げられたことも・・
怖かったな~!


でも、全てに愛情のある方で、その厳しさ・・・好きでした。
夜中の稽古楽しかったです。


それ以来、何かにつけ気にかけていただき嬉しかったです。



その芝居が終わり、共演者と呑んでいるとラジオから野沢さんの声が・・・


「これ、生放送でしょ。那智さん夜中まで頑張ってるな~」
「これから、見に行くか~」


共演者とタクシーに乗ってラジオ局に行くと・・・
「おう~和彦!そうか、呑んでたのか~。ラジオに出ちゃえ!」
すみません、酔っ払ってラジオに出てしまいました。



20年ほど前、胃の手術をなさった時・・・


「那智さん、お見舞い何がいいですか~?」
と聞くと・・・
「料理の本!美味しそうな料理の写真がいっぱい載った本がいいな~。」
「え~~?」
「食べられないから、それ観て味を想像するから~。イメージ、イメージ!」


おそるおそる料理本を持っていくと、本当に喜んでくれました。



僕が、お芝居好きになったのも野沢那智さんのおかげです。
いつも憧れの人でした。


最後にお会いしたのは昨年の秋。


赤坂のスタジオに向かう野沢那智さんにお会いしました。
僕がスタジオから出て坂を下っていくと、坂を登ってくる野沢さんとばったり。


「お~~和彦!」
「那智さん!お久しぶりです。お元気ですか?」
「いや~~結構ばててるよ、最近は何やってもしんどいな~。この坂こんなにきつかったか~?」
「無理しない程度に頑張ってくださいね~」
「ははは、そうだな~!ま、のんびりやるよ。和彦は頑張れよ!いっぱい芝居やれよ~!」
「はい!ありがとうございます。」
「おう!じゃあな~。」
「お疲れ様でした~」
「おつかれ~」


それが、野沢那智さんとの最後の会話。


僕の教室に来て、特別に講演をしてくださったり・・・
いつも気にかけてくれました。


本当にお世話になりました。

ありがとうございました。




心から、ご冥福をお祈りいたします。





那智さん!俺、いっぱい芝居やります!