私が京都に行くと、いつも立ち寄る神社があります。
この神社では、本当にたくさんの不思議な出会いをいただいてきました。
まるで何かに導かれるように、人と人とのご縁が広がっていく場所です。
その神社の門前には、小さなお店を営む素敵な女性がいます。
やさしい笑顔と、どこか不思議な力を感じさせる方で、
きっと多くの人がその温かいエネルギーに引き寄せられているのだと思います。
そして今日も、また新たな出会いがありました。
京都のとても美しい若奥様と、毎月この神社にお参りされているお坊様にお会いしたのです。
ご縁をいただき、三人で一緒に境内をまわることになりました。
お坊様が唱えるお経の声に包まれながら歩く時間は、まるで光の中を進んでいるような、不思議な静けさと安心感に満ちていました。
お坊様は静かに、そして深く語ってくださいました。
「人は“得”を積むことが大切です。
たとえ人に裏切られることがあっても、それには意味があります。
その相手を責めるのではなく、自分を見つめ、変えていくことが大切ですよ。」
その言葉が心の奥にすっと沁みていきました。
さらにお坊様は、ご先祖様を大切にすることの意味についてもお話しされました。
その瞬間、なぜか胸が締めつけられるような感覚がありました。
実は、私は長い間、実家にも帰らず、お墓参りもできないままでした。
家を継ぐ立場でもないのに、どうしてこんなにも気になっていたのだろう——
ずっと心の片隅に引っかかっていたのです。
思い切ってお坊様にお話しすると、
「それはご先祖様が、あなたに守ってほしいと願っておられるのかもしれませんね。」
と優しくおっしゃいました。
その瞬間、涙があふれ出して止まりませんでした。
きっとご先祖様が、私に気づいてほしかったのだと思います。
お坊様のお言葉が、そのメッセージを受け取るきっかけをくださったのです。
親や兄弟とは長い間、距離ができてしまいましたが、
私はこれから、自分にできる形でご先祖様の供養を続けていこうと思います。
今日の出会いは、きっとその“始まり”を知らせるために、天がつないでくれたご縁だったのかもしれません。
心の奥がじんわりと温かくなるような、そんな一日でした。
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