あらすじ。
円城寺啓四郎が其の日、刑務所から出所した際に出迎えに来てたのは愛娘で中学三年生の和実だけだった。
当日、啓四郎が刑務所を出所する事を知って居た者は和実のみで、妻の希実枝を含め、かつて啓四郎が所属してた組関係者や他の
誰も知らない満期日と出所日であった。
啓四郎は和実を伴って刑務所近くに在る喫茶店へ立ち寄り、其処で改めて父娘が約三年半振りの娑婆での再会を喜び合ってたところ、暫くして一人の男性客が店内に入って来て、突然、啓四郎と和実に向けて拳銃を発砲し放たれた銃弾は四発で、啓四郎が二発
被弾し、和実も二発被弾し店内に居た誰かが通報した消防署から来た救急車で隣接市所在の救急医療センターへ二人は搬送され、
懸命なる処置を施され啓四郎と和実の二人は一命を取り留めたが、翌年の和実が中学校を卒業する二ケ月後の五月に産まれて来る
筈であった、和実の身体に宿ってた小さな命が凶弾に因って失われてしまう。和実は自身も大怪我したが其れよりも妊娠四ケ月目で我が子を、卑劣な狙撃犯に奪われた事に失意のドン底に落とされ自分の手で必ず復讐をしてやるとの堅い誓いを立て、その想いを和実は啓四郎に打ち明けた。誰が何の為に啓四郎と和実を銃撃に至らせた動機すら想像も出来ず居た。当然、警察当局も犯人検挙に向けて多くの捜査員を動員させたが、十年の年月を経ても犯人を特定させる事は出来なかった。然し乍ら啓四郎は実際に和実が復讐を果たす五年も前に自分達を狙撃した者を特定させるに至り、因り年数を要したのには和実を闇の世界で生きる羅針盤となり、銃殺を遂行させれるまでに必要とするメンタルや銃器の扱い、射撃訓練で確実に標的を撃ち抜くスキルを身に付ける事も社会の表から完全に姿を消し本当の意味での闇の復讐者に啓四郎の手で育て上げられた和実であった。謎を解いてく過程で真実が明らかに成り啓四郎も和実も思いも寄らなかった者が、啓四郎と和実を同時に亡き者にしようと画策し裏で絵図を描いて、狙撃実行犯に教唆してた人物を燻り出し啓四郎の中で、和実に真実を伝えるか、否かの葛藤が生じた。事件から十年目にして和実は闇の復讐者として積年の恨みを晴らし復讐を遣り遂げたが、心に残ったモノは深い虚しさと言いようの無い悲しさだけであった。和実、若干二四歳で在る。