テレビ朝日による「報道ステーション」誤報検証動画の削除の分析 「あってはならない」不都合な真実 | 西陣に住んでます

テレビ朝日による「報道ステーション」誤報検証動画の削除の分析 「あってはならない」不都合な真実

テレビ朝日 吉田社長
テレビ朝日 吉田慎一社長



今日の午後、テレビ朝日「報道ステーション」誤報について議論した[先日記事]における動画がテレビ朝日の申し立てによって削除されました。ちなみにこの動画は、youtube上で"報道ステーション"+"誤報"のキーワードで検索するとトップページのほぼ先頭に現れるコンテンツでした。

さて、9月30日にテレビ朝日の吉田社長の会見があり、9月10日の「報道ステーション」の誤報について「あってはならない」と謝罪しました。ただし、その誤報発生のプロセスについては何の説明もなく、公共の国民の電波を取り扱うマスメディアの説明責任を果たしているとは言えないものでした。[読売新聞]

そんな中で突然削除された動画・・・その構成は次のようになっていました。

■9月10日放映 「報道ステーション」の誤報
■9月11日放映 朝日新聞誤報に対する「報道ステーション」の批判
■9月12日放映 「報道ステーション」の誤報謝罪


はからずも削除された動画の内容を論理的に分析すると、テレビ朝日「報道ステーション」が消し去りたい不都合な真実というものが顕在化しました。この点について以下にしっかりと示したいと思います。

上に示した異なる放映日の3つの動画については、それぞれ個別の形で現在でもインターネット上に存在していて誰でも自由にみることができます。削除された動画はこれらの動画に比べて画質・音声ともに格段にクォリティーが低いものでしたが、他の動画にはない特徴が一つありました。それは、上述したような異なる放映日の3つの動画が一つの動画にまとめられていた点です。そして「報道ステーション」にとって不都合だったのは、当然この点にあると考えられます。ちなみに、9月10日放映分と9月12日放映分が一つにまとめられた動画もいまだに存在することから、明らかに9月10日放映分と9月12日放映分に加えて9月11日放映分が含まれていることが「報道ステーション」にとって不都合であったと考えられます。

それでは9月11日放映分が含まれていることが、「報道ステーション」にとってなぜ不都合であったのかといえば、それは火を見るよりも明らかです。9月11日放映分で古舘伊知郎キャスターは朝日新聞の誤報問題に対して次のように述べています。[動画]

「(朝日新聞の)編集担当の役員の方が自分の判断で(池上氏コラムの)掲載をいったん見送ったんだということをおっしゃっているんですが、やはりどうして見送ったのかということは、もっと詳しく聞きたかったという点が当然ありますし、また原発の吉田調書問題の誤報に関して言いますと、なぜ記者が読み誤ったのか?、そしてどうしてここまで誤報になったか?というプロセスをきちっと説明してほしいというのがありました。そして私の印象ではありますが、主体が吉田調書であり、慰安婦問題に関する謝罪と言うのはその後の言わば付け足しのように見えたという印象を正直持ちました。」

古館キャスターは、朝日新聞の報道に対して「どうして見送ったのかということは、もっと詳しく聞きたかった。」「どうしてここまで誤報になったか?というプロセスをきちっと説明してほしい」とまるで正義の騎士のように強調しています。しかしながら翌日、「報道ステーション」の誤報が発覚すると、前日の言葉などなかったように、誤報のプロセスについてまったく一言も触れませんでした。いくらなんでも考えられないほど厚顔無恥極まりないダブルスタンダードの瞬間でした(笑)。「報道ステーション」にとってみれば、この点が絶対に触れられたくない正真正銘の不都合な真実であったといえます。

このようなコンテクストの中で「報道ステーション」は不都合な真実のエヴィデンスを消そうと動画を削除したわけです。世の中の情報はマスメディアのものではなく国民のものです。そんな情報を小手先で消そうとしても消えるものではありません。

人間には間違いがあるものです。ただその指摘を認めずに消し去ろうとするなど、マスメディアとしての資格もない暴挙と言えます。社長が定例会見で謝罪しましたが、その言葉とはまったく裏腹の行動です。池上氏の言論を封殺しようとした朝日新聞をよくもまぁ9月11日の放送で批判できたものかと思います。公共の電波を使った報道に携わる人として、そんな言論封殺をして恥ずかしいと思わないのですか?「報道ステーション」さん!