これも立派なセクハラです! | 西陣に住んでます

これも立派なセクハラです!

朝日新聞 鈴木議員



アメリカ合衆国の多くの企業管理者は、毎日接している秘書に子供がいるかいないかわからないのはもちろんのこと、結婚しているかいないのかもわからないのが普通のようです。これは、「結婚」や「子供」の有無について聞くこと自体がセクハラとして認定され、多大なる社会的・経済的損失を伴うためです。

アメリカ合衆国のセクハラに対する法的措置はストリクトで、その典型的な例として北米トヨタ自動車の日本人社長がセクハラで訴えられた事件をあげることができます。なんとこの社長はセクハラ行為の代償として秘書の日本人女性(現地採用)から総額1億9000万ドル(約200億円)の損害賠償を請求されたのです。

このようなセクハラを防止するため、アメリカ合衆国では、「セクハラ防止レクチャー(Sexual harassment Prevention Training)」が徹底されています。たとえば、カリフォルニア州では、従業員50人以上の企業の管理職には、2年に1度、2時間のセクハラ防止のレクチャーを受講することが義務付けられています。もちろんこの講習は日本企業の現地法人にも適用されています。

このセクハラ防止レクチャーによって、アメリカ合衆国で働く多くの人々はセクハラ問題に対するアメリカ合衆国の考え方を常識として強く認識することになります。もちろん、その常識には「結婚や出産の有無を同僚に聞いてはいけない」という基本的事項を含みます。そして、このようなハードルの高いセクハラ教育が義務化されている国のメディアが今回の発言を聞いてどんな反応を示すかは容易に想像がつくことです。6/24日に開催された日本外国特派員協会での塩村文夏都議への外国人記者の質問は、まさに厳格なセクハラ認定を常識とする観点に立った質問が目立ちました。

さて、会社の同僚が結婚してるか子供がいるのかまったくわからないような職場環境がよいかどうかは個人の価値観によるものかと思います。私は「グローバルスタンダード」なる名の基に導入された「コンプライアンス」という制度が、日本企業のもつウェットで家庭的な素地をズタズタに崩壊させて、多くの人々が望まない世知辛い職場環境を作ってしまったという点で、極めて大きな問題があると考えています。そんな中、セクハラ認定の厳格化の足音が、さらに世知辛い職場環境を加速化させる大きなファクターになるのではと危惧しています。もちろんセクハラは糾弾すべきですが、その行きすぎた認定は回避すべきと考えます。

ただ、鈴木章浩都議からの塩村文夏都議へのヤジはそのようなアジェンダを超越する下品なものであると考えます。仮に本人に悪意はなかったとしても、セクハラ認定に対する社会の厳格化が進んでいるという現状認識を完全に欠如していて、立法に関わる人物として明らかに不適格であると考えます。

また、そのこととは別に、以前から私は「立法の場において不要なヤジを飛ばす人物」は政治の場から退場させられるべきと考えています。できれば議員席の一つ一つに指向性のマイクロフォンを設置しておいて、一人一人の議場での発言(ヤジを含む)がインターネットメディアで常に公開されるような制度を確立すべきであると考えています。そうすれば、有用で必要なヤジ(そのようなヤジがあるかは疑問ですが)は消えずに、不要なヤジを飛ばす人物が国民によって淘汰されることになると考えます。


メモメモメモメモメモ


ところで、ここからこの記事の本質的部分に入ります。

自らの発言であることを認めた鈴木章浩都議に対して、一人の女性記者が鬼の首でも取ったかのようにヒステリックな感情あらわな声で次の動画(この記事のためにアップしました)のような質問をしました。

[鈴木章浩都議に対する女性記者のセクハラ質問]


マスメディアの論理に厳格に従えば、これは明らかに女性から男性へのセクハラであり、鈴木章浩都議の塩村文夏都議へのヤジと本質的に変わりません。鈴木章浩都議がセクハラ発言をしたからといって、鈴木章浩都議にセクハラ発言をすることは許されることではありません。このようなセクハラを犯している人物(女性記者)が、他人(鈴木章浩都議)のセクハラを糾弾するのはいわゆるダブルスタンダードです。さらに、今回の発言とはまったく関係がない鈴木章浩都議の家族にまで話が波及することになってしまいました。

もちろんダブルスタンダードであっても、鈴木章浩都議を糾弾することは論理的に不合理なことではありません。鈴木章浩都議を糾弾することは自由です。しかしながら、もしマスメディアにセクハラ厳格化の意識があるのであれば、公の場でヒステリックなセクハラ質問をしたこの女性記者を探し出して糾弾すべきです。セクハラに関する認識がないのに他人のセクハラを糾弾している女性記者の発言は、単なるいじめに過ぎないと言えます。そしてこんなセクハラ質問を放送して鈴木章浩都議をヒステリックに糾弾しているテレビ朝日「モーニングバード」も同様のイエロージャーナリズム番組であると考えます。