みのもんた氏の降板会見の全文と分析(3) | 西陣に住んでます

みのもんた氏の降板会見の全文と分析(3)

西陣に住んでます-みのもんた氏 降板会見



数回に分けてこのみのもんた氏の降板会見の全文をアップすると同時にその内容を分析するこのシリーズの第3弾は、Q&Aの続きです。


[みのもんた氏の降板会見の全文と分析(1)]

[みのもんた氏の降板会見の全文と分析(2)]

[みのもんた氏の降板会見の全文と分析(3)]

[みのもんた氏の降板会見の全文と分析(4)]

[みのもんた氏の降板会見の全文と分析(5)]

[みのもんたの朝ズバッの大研究]
[朝ズバッみのもんた氏の怒りのブーメラン発言集]


以下、質問者ごとにわけて紹介したいと思います。



質問者5:ニコニコ動画の七尾と申します。今回こういった機会を与えていただいてありがとうございます。ちょっと角度を変えまして、みのさんといえばですね、やはり番組の中でそのニュースをズバッと斬られてこられたのが非常に人気だったわけです。で我々も見てきたんですけれども、その今回やっぱりちょっとわからないことがありましてね、みのさんは文化放送の番組の中で私が何をやったわけではないとおっしゃってるわけですね。これは事実なわけです。それでやっぱり御子息さんは、まぁこういったことはありましたけれどもやはり20以上なわけなんですね。で、こうしますと、みのさんがそれで辞められるとなればですね、今後は様々な、例えば政治家の方とかいろんな方もそういったケースが何か出てきちゃうような気がするんです。で、今回そういった辞め方ってのは一つやっぱり影響を及ぼすんじゃないかなっと思います。それともう一点ですね、これはみのさん御存じないと思いますが、ないかもしれませんけど、セクハラ問題というのがちょっと話題になりました。その前にですね。そういったことも含めて、今回の一連の報道のあり方につきまして直言いただければありがたいと思います。よろしくお願いします。


みのもんた氏:まずセクハラから。私は、番組の中でアシスタントのお嬢さんの体に触った触らない。あのお嬢さんは本当によくトチるお嬢さんなんです。僕はトチるたんびに背中を叩いたり、体を叩いたり、ほら、ほらってやってました。だんだんトチらなくなりました。で、あの一件の時、皆さんの方がお詳しいと思いますけれど、カメラのフレームの下は腰です。最後の場面ですので腰より上が写ります。私は腰をたたいたつもりです。ですから彼女の手は腰のところで私の手を上に挙げたところを、私も観ました。連続写真にこう撮られたようになってます。私はセクハラをするつもりも何もありません。ほらって叩く。ですから彼女に聞いてもらったら方がいいと思います。でもそれを巧みにどうやって映像を作ったのかわかりませんけれども動いている映像を見せられました。私は私の番組の中でほとんど私より若い新人のアナウンサーがたくさん来ます。特にスポーツの高畑君なんかは数年前、スコアカードの読み方一つもできないということで、朝の打ち合わせで僕に怒られて良く泣きじゃくってました。でも彼女は見事にそれに答えて今や超一流のスポーツキャスターにもなりましたし、ニュースの素読も完璧にできるようになりました。シルヴィア君達も成長してきました。私は朝の打ち合わせも放送中も厳しいです。イントネーション一つにしても、そういう意味で私は、でもそれが映像で観たときに彼女が僕の手を持って遮る姿がいかにも何か女性の体をまさぐるような表現で描かれていたのは残念です。


メモみのもんた氏が起こしたセクハラ疑惑は、次男の窃盗容疑によって影が薄くなりましたが、もしもセクハラが事実だとしたら、みのもんた氏の責任という上では、次男の窃盗容疑の連帯責任よりも大きいと私は考えます。まず、みのもんた氏の行為がセクハラかどうか?ということについては、みのもんた氏から行為を受けたアナウンサーの方の受け取り方によるものなので、当事者でない者が勝手にみのもんた氏の行為はセクハラであると決めつけることはあってはならないと思います。ただ、アナウンサーの方がみのもんた氏の手を払ったことは事実であり、行動学的に見たらみのもんた氏が触ったこと自体に対しては嫌がっていると考えるのが合理的です。このことが偶然によるものなのか、故意によるものかはみのもんた氏しかわかりません。みのもんた氏はアナウンサーの方に聞いたらわかるようなことを言っていますが、これは適正な論理ではありません。TBSの会長とも昵懇なみのもんた氏とTBSに入社して2年のアナウンサーの方とではその社会的地位の差は圧倒的に大きく、アナウンサーの方がみのもんた氏の主張を否定するにあたっては、自分の将来をも犠牲にするくらいの大きな勇気と労力が必要になるかと思います。このような背景から、たとえアナウンサーの方がみのもんた氏の主張に同意したところで、みのもんた氏の主張が正しいということはプルーヴされないものと考えます。さらに他の先輩アナウンサーの例を出すことで、自分がTBS若手アナウンサーの教育係を務めているような印象を与えて聴き手の目をそらすのは、論理のすり替えに他なりません。若手アナウンサーの教育係であることを理由にしても女性の腰から下に触ったことを正当化することはできないからです。「朝ズバッ」では他人のセクハラに対して大上段から厳しく批判していたのに、自分の行為に対する説明は極めて甘いものと言えるかと思います[→朝ズバッみのもんた氏の怒りのブーメラン発言集] 。みのもんた氏の基準ではこの程度の説明で疑惑を解消ということにはならないでしょうし、みのもんた氏の言葉を借りればこれは「隠蔽」に近いと考えられます。ちなみに、みのもんた氏はこのように会見で説明する自体を「釈明会見」と呼んで揶揄していました。まさに紛れもないダブルスタンダードであると思います。今後みのもんた氏が報道番組に復帰したとしてもセクハラ問題については何も批判することができないのではないかと考えます。


みのもんた氏:それからもう一つ、私、一番最初に質問されましたけど、本当に私がこの事件を知りましたのは、今年は家内が亡くなったので、2週間の休みをとっても過ごしようがないので、まぁ1週間ずつ特にTBSさんの方から10月の改編前に残りの休みをとってくれって言われて、2回に分けてとりました。その2回目の休みのときにこういう事件が起きました。起こした本人は私に、まぁ私は厳しく育てているつもりですが、怒られるのが怖かったのか、私には伝えてきませんでした。そして1週間後にああいう事態になった。僕は最初に思いました。子供じゃないんだから、大人なんだから、責任とれよと。僕の仕事と何が関係あるって気持ちが正直いって強かったです。ですから、いろんな方に別人格って言葉を言われたときに、素直にそう思いました。でも、ラジオでも私、僕がやったわけではじゃないのに、正直な話です。出ました。そうしましたら、スタッフの方が、こう書かれているよ、ああ書かれているよ、特に開き直りという言葉で。まぁそうか開き直りかなぁ。でも親の責任、子供の責任、親子の情愛、親としての子供に対する道義的な責任、それは非常に痛いほどわかりました。本棚の中から昔読んだ山本周五郎の「日本婦道記」、短編集なんで暇にあかして読んでいるうちに特にああ親子の情愛って大事だなぁ、そう思いました。瀬川丑松という人間が日本を出て自由の国、新大陸に移る。ああ瀬川丑松という若者の心情が痛いほどわかりました。私はそういう私のところに届く大変厳しい論調の活字を見ながら、自分で本棚から引っ張り出してきて読んだ本の活字に逆に助けられました。ですから冒頭申し上げましたけれども本当に本当に私は番組を降りると決断したのは、あのバカせがれと同じ口惜しい思いを味わうべきだからと思ったんです(涙)それは娘と子供たちの強い意向で、亡くなった家内の骨を納骨しておりません(涙)仏壇からおろしてきて彼女の一番好きだったキッチンの棚において2ヵ月ぶつぶつしゃべりながら(涙)飲んでおりました。ある朝、お骨の前の絨毯にお線香が一本落ちて燃え尽きておりました。よく絨毯が発火しなかったなとぞっとしました。それを見てて、僕酔っ払って寝る前にお線香たてたんだけど、そのうちの一本が落ちたんだな、よく火事にならなかったなぁと思って、それを見てるうちに、女房だったら、せがれと差し違えて責任を取っていたんじゃないかと思いました(涙)女房もいり孫もいる苦しむんだったら僕も自分にとって一番つらい道だと思ったときに、すべての局に、私が仕事をしているすべての局に降板を申し入れました。そして現在残していただいたのが、読売テレビの「秘密のケンミンSHOW」と私の故郷の文化放送です。特に文化放送はスポンサーが自粛という道を、つらいです、でも、なんとしてでも与えられる限りしゃべる場というのを私は離したくないんです。


メモ七尾氏が言うように、連帯責任というゆがんだ責任の取り方が、一つの判例のようになって、今後他のケースにおいても連帯責任が適用されていく可能性が考えられます。みのもんた氏の発言を聞いても、みのもんた氏の番組降板の理由は、あくまで「不祥事を起こした御法川雄斗氏の親としての連帯責任」です。つまり多くの国民が不満に思っていると考えられる「みのもんた氏の稚拙で傲慢な報道スタイル」を理由とするものではありません。このことが何を意味するかというと、みのもんた氏のような報道スタイルが今後も別の人物によって続けられていく可能性や、みのもんた氏自身が再び報道番組に登場してイエロージャーナリズムを繰り返す可能性が残ったわけです。さて、連帯責任を危惧した七尾氏の質問に対して、みのもんた氏は自分のことを情緒たっぷりに語っただけで、その社会的な問題点についてまったく答えていません。みのもんた氏が何を話したかというと次の通りです。


(1) みのもんた氏は奥さんが亡くなったので休みを2回に分けてとった。
(2) 2回目の休みのときに事件が起きた。
(3) みのもんた氏は次男は自分とは別人格であり、自分がやったわけでは

   ないと発言した。
(4)「日本婦道記」を読んで綾子の情愛が大事なことを認識した。
(5) 息子と同じ口惜しい思いを味わうべきだと思い降板を決めた。
(6) 自宅で酔っ払って仏壇の線香が落ちて火事を起こしそうになった。
(7) 落ちた線香を見ているうちに奥さんだったら次男と刺し違えて責任をとった

   だろうと思った。
(8) そこで自分にとって最もつらい道である降板を申し出た。
(9) 読売テレビと文化放送はみのもんた氏の続投を決めた。


おかしいと思われる方も多いかと思いますが、みのもんた氏は、七尾氏の「連帯責任で辞めるという理不尽な行為が今後の同種のケースに影響を及ぼすのでは?」という質問には全く答えていません。みのもんた氏は、涙をこらえて声を上ずらせながらただただ自分の話と亡くなった奥さんの話をすることに終始しました。これは明らかに世間の同情を引く目的で用意しておいた話であると考えられます。まさに家族の不幸を利用して自らの保身をするという許せない行為であると考えます。みのもんた氏の声がちょっとでも上ずるとカメラのシャッターの嵐が起こり、みのもんた氏が声を詰まらせるというパターンはまるでドリフのコントのようです(笑)。



質問者6:テレビ朝日のコギと申します。同種のですね、まぁ様々なケースは過去にもあったと思うんですけれども、例えば芸能人のまぁ子供が何らかの犯罪行為なり不祥事を起こして、その親の責任というときに、過去みのさんが番組の中で批判的に語るということもあったと思われますが、そういったことは今回の判断の背景にあるのか、そして振り返って御自身のいろんなコメントされてきたと思いますけれども、そういったことについては、今の立場になってどうお考えになるのか?お聞かせ下さい。


みのもんた氏:私は今までも聞かれましたし活字でもいろいろな特に芸能界の方の不祥事というのを随分番組でも取り上げました。そのときに私は、あなたは母親だからこの職業を辞めろとか、あなたは父親だからはこういう職業を辞めろと言ったことはありません。私はこのバカ息子、バカ娘、警察に怒鳴りこむバカ親、そうは言いました。しかし、あなたはこういう伝統芸能を辞めろとも言いません。こういう職業を辞めろとも言いません。どっかで言いましたか?でもそういうふうに言ったというふうに書かれた活字もありました。でも私は言っておりません。やった本人はバカとは言います。だってバカですもん。うちのせがれもバカです。大バカです。でも私は過去のそれを見て、辞めろよと言ったことはありません、親に対して。その辺のところはよく見ていただきたいと思います。


メモみのもんた氏は、不祥事を犯した人物はもちろんのこと、ガヴァナンス不足を理由にしてその不祥事を犯した人物の所属する団体・企業のトップを辞めさせるようなキャンペーンを続けてきました。全柔連の会長やNPBのコミッショナーがその典型的な例です。また親の教育に対しても厳しく、おもいきりテレビでのお説教や著書にも説教臭いことを書いています。ただし、子供の不祥事を理由に親に職業を辞めろと言ったことはないというのは本当なのではないかと私も思います。その理由としては、過去にいろいろとトラブルを起こしていたという次男の素行を知るみのもんた氏は、子供の不祥事で自分が辞めなければならなくなる可能性があることをもともと意識していたとも考えられます。



質問者7:先ほどみのさんがね、子育てが間違っていたのかな?問題があったのかな?って今日のラジオの番組でも、自分の生き方を見せてきた、その生き方が間違っていたのかな?というふうにおっしゃっておりましたけれども、今ご自身間違っていたとしたら具体的にどんなところが間違っていたのかっていうふうに思っていますか?


みのもんた氏:ちょっと厳しすぎたのかなと思いました。育て方が厳し過ぎたかなと思いました。


質問者7:例えば、具体的にはどんなところが厳しかったんでしょうか?


みのもんた氏:お小遣いにしても、合宿にしても、大変厳しかったようです、僕は。何十万円も与える人もいるかもしれませんが、私は女房の決めたとおりの額だけしか渡しませんし、悪いことやったときには悪いことやったと。いけないことかもしれませんが、私は殴るタイプなんです。いやなら出ていけ、そういうタイプの父親です。それが僕は父親としてのええかっこしいが、悪い結果につながったなぁと。何か起きてもわからなければわからないようにしちゃおう。親父にわからないような道につながったんだと思います。何でも話せる親じゃなかったようです。


質問者8:殴ったのはいくつくらいまでですか?


みのもんた氏:中学校の二年生くらいまで・・・


質問者9:そのことがあれですかね、最初御自身が逮捕された時の事情をかなり細かくお聞きになっていたという説明でしたけれども、それがすべて嘘だったというのは、厳しさ怖さ、それが背景だったということでしょうか?


みのもんた氏:かもしれませんね。


メモみのもんた氏は著書「義理と人情」で「教育も女房に任せきり。子供と食卓を囲むなんてめったにありませんでした。(中略)子供の顔を見る暇もありません。まったく、女房、子供にはさびしい思いをさせたと思います。」と書いています。つまり、みのもんた氏自体は子育てが間違っていたというのではなく、子育てをしていなかったというのが正しいと思います(笑)。なお、暴力を散々批判していた割には、「私は殴るタイプです。」というのは完璧なダブルスタンダードです。



質問者9:ただ、みのさんね、ここに集まっている多くの報道陣が、みのさんが今日この決断をいつ下すんだろうかというのも思って見てる。ただ逆に言うならば、辞めなければ、報道番組を降板しなければいけないんでしょうか?


みのもんた氏:辞めなければおさまらない風潮に僕は感じましたけれど。私は今度のことで、人品骨柄、収入、住む家、そこまで叩かれるとは思いませんでした。


質問者10(質問者5と同じ):それはさっき僕が質問したように、最初俺がやったことではないじゃないか、息子は息子、俺は俺と。御自身も、みのさん御自身も言ってたように開き直りと、俗に言うケツまくったと、何だと、番組の中でねあんなこと言ってる中で、自分のことになると何だと。そうしてバァっと。僕もそういうコメントしましたよ。あれだけ言ってて、ね、みのもんたともあろうものが、というのは、あろうものはというのは褒めてるんですよ、普段の皆さんを、世間の裏も表も知っている、いろんなことも知っている。そのみのもんたにして、自分のわが子になると、溺愛するあまり親の責任ではないという、まぁ息子さんの責任はないという発言はないでしたけれども、さっき御自身がおっしゃったように勝手に責任とれっていうそういうスタイルですから、当時はそうじゃないところがあった。袋叩きになったっていうのは、叩いた方だけみのさんの頭にあるのは、それは当然かもしれませんが、だけれどもコメント求められれば僕は叩く側で、みのさんの著作も読んだことありますけれども、それはそれでこれはこれで、なんか図に乗っちゃってんじゃないかと。みのもんたにして大金持ちになったら考え変わったなと思う人もいるし、政治家の人が番組見たらみのさんにペコペコしてんのもいたから、あぁ変わっちゃったんだ。これはね、叩かれた部分だけを報じちゃってますが、側からだけね。だけれどもやっぱりああいう風潮になったのは必然があったのではないかと思いますが、御自身としてはやっぱり?


みのもんた氏:でもしょうがないでしょうね。


メモ結局、みのもんた氏は「辞めなければおさまらない風潮」だから辞めたと言っています。このことは、ついさっき、涙ぐみ声を上ずらせながら語った「私は番組を降りると決断したのは、あのバカせがれと同じ口惜しい思いを味わうべきだから」という美談じみた話とは完璧に矛盾します(笑)。このような不規則発言は報道におけるみのもんた氏の不規則発言と同種のもので言葉に対してほとんど責任を持っていないと言えるかと思います。なお、人品骨柄、収入、住む家を基にみのもんた氏の行動を批判する一部マスメディアの論理は間違っていると思いますが、そのような暴論を引き合いに出して別の論点に対する自分の論理を正当化するという論理も間違っています。




次は息子との関係に続きます。