密教を感じる延暦寺の西塔
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比叡山の延暦寺は、最澄が開いた天台宗の本山です。
ここは、平安京の鬼門(東北)を守るお寺で、
平安京の怨霊シャットアウトシステムの重要なサブシステムです。
桓武天皇と側近の和気氏は、都の鬼門に延暦寺を置くことで、
比叡山を怨霊が襲ってきたときの最も強固な防衛線としたわけです。
さて、比叡山は非常に広い山ですが、
延暦寺はその中の3区域に拠点を置いています。
これが、東塔エリア・西塔エリア・横川エリアです。
今日はまず、西塔エリアから紹介します。
このエリアは、延暦寺発祥の地の東塔と比較して訪れる人が少ないです。
・・・が、そこが素晴らしいんです(笑)。
平安2大仏教の天台宗も真言宗も密教です。つまり、教義が秘密なんです。
そしてその教義も、言葉を介して教えてくれるわけではなく、
修行を通して、テレパシーを介して教えたりするそうです(笑)。
この西塔エリアを歩いていると、
そんな秘密な空気を思う存分感じることができますよ。
深い山の中にいきなり伽藍があったりします。
まるで、山にこもって厳しい修行をする修験道の道場のような雰囲気です。
・・・と思えば、室町期のような庭がある落ち着いた伽藍が登場したりもします。
こんな綺麗な花もひっそりと咲いてます。
そして、また歩いていると、こんな光景に遭遇します。常行堂といいます。
こちらの苔はホントにめちゃくちゃ鮮やかで綺麗でした。
これはそうそう出会うことができない代物です(笑)。
ここから階段を下っていくと、このエリアのメインの建物の釈迦堂があります。
メインの建物を訪れるのに下がっていくのは不思議な感じがします。
人里離れた山の中によくこんな立派な建物を建てられたものです。
伽藍の中からはお坊さんが出てこられました。
このエリアでは、観光客の人よりは、お坊さんとよく出会います。
つまりそういう世界に立ち入らせていただいているということになります。
そして、お坊さんには、道をすれ違う時に必ずごあいさついただけるんです。
とても恐縮してしまい、プレッシャーです(笑)。
もちろん、こちらも丁重にご挨拶させていただくのですけどね(笑)。
西塔エリア、めちゃくちゃいいですよ。
さて、次の記事では、有名な根本中堂のある東塔エリアを紹介します。
♪今日聴いた一枚♪
バリトン・サックスの奏でる安全なジャズはいかがですか(笑)。