一瞬で読める源氏物語No.22 玉鬘 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.22 玉鬘

源氏物語


No.22 玉鬘(たまかずら) 光源氏35歳の物語


いまだに夕顔のことが忘れられない光源氏は、せめて現在の内大臣と夕顔との間に生まれた行方不明の娘に会いたいと思うようになりました。この娘、玉鬘(たまかずら)は、乳母のツテがあった筑紫で、求婚者が続出するほどの美女に育っていましたが、肥後の有力者からのストーカー行為に悩んでいました。なんとか京都に逃げのびた玉鬘は、仏にすがろうと奈良の長谷寺にお参りに行ったところ、偶然そこで、今では紫の上に仕えている、かつての夕顔の秘書、右近(うこん)と出会います。そしてはじめて夕顔の死を知り、深く悲しみます。一方、右近から報告を受けた光源氏は、大喜びで玉鬘を養女として六条院に引き取ります。なお、とりあえず内大臣にはこのことは内緒です。さて、年末になると、光源氏は恋人の女性たちに自ら選んだ服をプレゼントします。紫の上はその色や柄から女性たちを想像してはジェラシーを感じますが、最大のライバル、明石の君の服は特にセンスが良かったので深~くヘコむのでした。



補足:玉鬘は、光源氏との密会中に六条御息所に呪い殺された可憐な女性、夕顔のDNAを受け継ぐアイドル娘です。これからの十帖は玉鬘十帖と呼ばれ、この玉鬘をトピックとしたワイワイガヤガヤの大騒動が始まります(笑)。そしてこの騒動を大きくしたのもやっぱり光源氏です。このころの光源氏は不可解で不規則な行動が目立ってきます。今回の行動を見ても、玉鬘が見つかったことを実の父である内大臣に教えなかったのは不可解です。これが、また後にトラブルの原因となります。ところで、女性たちへのプレゼントの服を見ながら、女性たちの姿や性格を想像する紫の上ですが、やはり一番気になるのは明石の君のようです。当時の女性たちは、男性に顔を見せないのはもちろんこと、女性同士で顔を合わせることもないので、夫の恋人の容姿や性格が特に気になるところだったんです。ただ、紫の上も最高の流行の服をプレゼントされています。念のため(笑)。


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