一瞬で読める源氏物語No.21 乙女
No.21 乙女（おとめ） 光源氏33歳-35歳の物語
光源氏は太政大臣に権中納言は内大臣になりました。夕霧も12歳で元服です。それまで夕霧は、内大臣の娘で従妹の雲居雁（くもいのかり）と共通の祖母である大宮に育てられていましたが、二人の恋仲が発覚したため、皇室に嫁がせるつもりにしている雲居雁を内大臣がひきとってしまいます。また光源氏も夕霧をひきとり、大宮の批判をよそにスパルタ教育を始めます。勉学は順調なものの雲居雁と会えないのがつらい夕霧ですが、五節の舞姫に選ばれた雲居雁似の惟光の娘に一目ぼれして告白メールを送ります。このメールを娘が読んでいるところを見つけた惟光は、最初はキレながらも相手が夕霧と知り交際を許します。そんな中、光源氏は、六条御息所邸の跡地付近に六条院という四季をテーマとする大ハーレムを完成させます。春の町には光源氏と紫の上と明石の姫が、夏の町には夕霧と教育係の花散里が、秋の町には秋好中宮が住み、冬の町には明石の君を呼び寄せる計画です。
補足：光源氏は、今で言えば総理大臣ともいえる太政大臣となり、帝の臣下としては最高の位に上りつめます。一方で永遠のライバルの内大臣は娘の雲居雁を次の皇太子に嫁がせて、後々は政治の実権を握ろうと画策します。また、光源氏のDNAを受け継ぐ息子の夕霧は、恋する男子に成長して早くも二股交際を始めました（汗）。ちなみに五節の舞姫というのは、ミス貴族のようなものです。さて、当時の六条通の東端（現在の五条河原町あたり）に、光源氏の光源氏による光源氏のためのネバーランドというべき六条院が完成しました。敷地は広大で4町あります。当時の1町は120m×120mなので、4町で240m×240mとなります。東南→春、東北→夏、西南→秋、西北→冬という町構成になっていて、各町には四季折々の庭と好みの女性がいるアトラクション満載のテーマパークといえます（笑）。なお、秋が好きな秋好中宮の秋の町は、母親の六条御息所邸の跡地です。また、空蝉と末摘花は二条東院で引き続き生活することになります。