一瞬で読める源氏物語No.20 朝顔 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.20 朝顔

源氏物語


No.20 朝顔(あさがお) 光源氏32歳秋-冬の物語


朝顔は、父の喪に服すため斎院という仕事を辞めて叔母の女五の宮(おんなごのみや)とともに暮らし始めました。光源氏は、メールを送り続けてもほとんど反応がない朝顔を今度こそものにしようと、女五の宮の見舞いにかこつけて朝顔の屋敷に通いました。朝顔は、そんな光源氏をいとおしく思いながらも、いまさら他の女と同レベルになるのがいやで、光源氏に何も返事をしない作戦に出るのでした。ヘコんでいる光源氏の前に、この屋敷に世話になっているというあの好色の老女源典侍が突然現れて言いよります。光源氏は退散しながら佳人薄命というものとその逆を実感するのでした。さて、紫の上は、光源氏が朝顔にしつこくアタックしてるという世間の噂を聞いてヘコみます。そんな紫の上を慰めながらも、光源氏は過去の女性のことをレビューし始めます。その内容をチェックしていた藤壺の霊がその夜光源氏の夢の中に出てきて、あ~でもないこ~でもないと文句を並べました。



補足:斎宮とは伊勢神宮に対する天皇の代理のことでしたが、斎院とは上賀茂・下鴨神社に対する天皇の代理のことです。さて、光源氏はスパムともとれるメールを朝顔に20年も送付し続けるというストーカー的行為を繰り返していました(笑)。系図 を見ていただくとわかるのですが、実は、この朝顔も葵の上も秋好中宮も光源氏にとってはイトコの間柄なんです。ただ、当時はイトコ間で結婚をすることは珍しいことではなく、基本的に異母兄弟の結婚も祝福されました。ちなみに、親友で永遠のライバルの光源氏と権中納言(頭中将)もイトコ同士なんですよ。こうして基本に立ち返って見てみるとやっぱり狭い世界ですね。それにしても光源氏は、紫の上を慰める途中で過去の女性のことを評価し始めるなんてデリカシーがなさすぎですが、それを聞いてて夢でグタグタとイチャモンをつけた藤壺の執念も立派です(笑)。


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