一瞬で読める源氏物語No.18 松風 | 西陣に住んでます

一瞬で読める源氏物語No.18 松風

源氏物語


No.18 松風(まつかぜ) 光源氏31歳秋の物語


光源氏は自宅の二条院の東側にある二条東院を改築しました。中心にある寝殿から渡り廊下でつながった東棟には明石の君を、西棟には花散里を、北棟にはその他もろもろの女性を住まわせるプランです。さて、明石の君は身分の違いを感じて都に行く決心がつきませんが、明石の入道に説得されてやっとのことで、京都の西のはずれにある大堰川の別荘で母の尼君(あまぎみ)と娘の明石の姫(あかしのひめ)と暮らしはじめました。愛する紫の上を煙に巻いてなんとかこの屋敷を訪ねた光源氏は、明石の君と再会するとともに初めて目にする明石の姫の可愛いさに喜びます。そして観念したのか、彼女達の様子を紫の上に正直に話します。紫の上はジェラシーを感じますが、明石の姫を養女として引き取って紫の上が育てるという光源氏の提案には乗り気でした。



補足:二条院は二条東洞院に、二条東院はその東側(ラーメン屋さんの高倉二条のあたり)にありました(実際にはないですけど・・・笑)。この二条東院は典型的な寝殿造です。中心には主人が住む寝殿が、東西北の三方には、渡り廊下で結ばれた東の対、西の対、北の対といわれる別棟が、南には庭園があります。さて、寝殿造では、通常は北の対に正妻が住むことになっています。正妻のことを一般に北の方というのはそのためです。ちなみに平安時代には官位が三位以上の貴族の正妻を北の政所といいました。ねねだけが北の政所ではありません。そして二条東院の北の対はというと、空蝉・末摘花などのもろもろの女性が住みました(笑)。なお、なぜか紫の上は二条院の西の対に、光源氏は東の対に住んでました。ところで、当時の大堰川とは嵐山あたりの桂川をさします。


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