
ヴァン・ヘイレンの究極のロック・ギタリスト、エディ・ヴァン・ヘイレン Eddie Van Halen が闘病の末、10月6日に亡くなりました。
エディ・ヴァン・ヘイレンは、超高速ギター、タッピング、特異なアーミングなど常識を超えた難度が高い必殺技をニコニコ笑いながら簡単にこなしてしまうテクニシャンである一方、正確にビートをヒットさせるメロディアスなフレーズで構成されるリフで曲を盛り上げる芸術家でした。以下、時代順に代表的なパフォーマンスを並べたいと思います。
Runnin' with the Devil
ハードな雰囲気満点のギターリフです。エディ・ヴァン・ヘイレンと言えば、ソロが注目されますが、ギターリフも忘れてはなりません。私がロック・ミュージックの師匠と崇拝しているRick Beato先生が、こちらの動画でこの曲の素晴らしさを実演を交えて解説してくれています→[What Makes This Song Great?]
Eruption
こちらは、エディ・ヴァン・ヘイレンの代名詞ともいえる「タッピング」をふんだんに使った有名なソロです。タッピングとは、通常は指で弦を押さえるフィンガーボード上で両手で弦を押さえたり叩いたりして音を出す奏法です。どこで押さえているのかどこで叩いているのか判別できないエディ・ヴァン・ヘイレンの魔法のような指使いはロック・ギターの常識を変えました。
Ain't Talkin' 'Bout Love
オランダ人とインドネシア人のハーフであるドラムのアレックス・ヴァン・ヘイレン(兄)とギターのエディ・ヴァン・ヘイレン(弟)の兄弟を中心とするバンド「ヴァン・ヘイレン」において、ヴォーカルは野性味あふれる暴れん坊のデイヴィッド・リー・ロス、ベースは力がたぎるマッチョのマイケル・アンソニーです。この曲では4者4様のパーソナリティを存分に魅せてくれています。
Dance the Night Away
この曲は、ハード・ロックではあるものの、80年代を目前にして明るいポップ調のフレーズおふんだんに使っています。この時代の流れこそが、音の多様性を求めるエディ・ヴァン・ヘイレンのあくなき挑戦への原動力になったものと考えられます。
And the Cradle Will Rock
ご機嫌なセッションです(笑)。ヴァン・ヘイレンはショウ・ビジネスを否定することなく、みんなから愛される楽しいバンドになっていきます。
Unchained
私はこの曲の洗練された明るいギターリフが大好きです。
Ice Cream Man (1982)
12小節4ビートのブルースです。3:20~4:00のソロは凄まじいフレーズの応酬です。
ブルースは、ジャズの世界でもインプロヴィゼーションの基本ですが、
これほど奇抜なプレイは聴いたことがありません
Beat It(1982)
マイケル・ジャクソンの大ヒット曲でのギターソロは2:45から
エディ・ヴァン・ヘイレンのギター・スタイルが爆発しています
Jump
ヴァン・ヘイレンの最大ヒット曲です。このバンドがもつテクニックのすべてが結集した曲といってもよいかと思います。エディ・ヴァン・ヘイレンはこの曲でギターと同時に壮大なシンセサイザーを担当しています。全てのメンバーのフレーズが有機的に噛み合って80年代ポップ・ロックの代表曲となりました。この曲についても、Rick Beato先生がキーとなるフレーズを実演しながら熱く解説してくれています!
→[What Makes This Song Great?]
Panama
エディ・ヴァン・ヘイレンのポップなハード・ロックの代表曲です。
Hot for Teacher
MTV時代の楽しいPVです。全編を通してエディ・ヴァン・ヘイレンの快調なギター・プレイが愉しめます
微笑みのハード・ロッカーであるエディ・ヴァン・ヘイレンはロック・ファンのみならず一般大衆にも愛されました。こちらの動画は、米国の1985年と1995年に人気番組『レイト・ナイト/ショウ』に出演したエディ・ヴァン・ヘイレンのプレイです。
1995年頃になるとエディ・ヴァン・ヘイレンは髪をショートカットにして、『スタートレック』のライカ―と『ビバリーヒルズ青春白書』のデイヴィッドを足して2で割ったような爽やかな風貌に変身しました(笑)
こちらは、もしエディ・ヴァン・ヘイレンが、[天国への階段]のジミー・ペイジのソロを弾いたらどうなるかというRick Beato先生監修のトリビュート映像です。パフォーマンスは8:15からです。
よく特徴をとらえていると思います。エディ・ヴァン・ヘイレンのプレイは、既にプロ・アマを問わずギタリストのスタンダードとなっています。
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偉大なミュージシャンのプレイは、遠い将来まで後継に影響を与え、人々の記憶に残って行くものと考えます。エディ・ヴァン・ヘイレンさん、最高の笑顔で素晴らしいパフォーマンスを届けていただけたことで、何度も豊かな気持ちになりました。ありがとうございました!