ポピュラー音楽のリマインダー/ベイ・シティー・ローラーズ | マスメディア報道のメソドロジー

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ベイ・シティー・ローラーズ(BCR)はビートルズの再来として「バイ・バイ・ベイビー」が全英で大ヒット、ティーンの熱狂的な支持を受け米国上陸、「サタデー・ナイト」で華々しく全米No.1を獲得したにもかかわらず比較的短期間で人気が衰え、今ではポップスの歴史からほぼ完全に消えてしまいました。

おそらくBCRくらい、熱狂的なファンではない一般の人がファンであることを表明することに躊躇するグループはないでしょう(笑)

躊躇の理由として「歌詞があまりにも青い」「音楽性が子供騙し」「ファン層があまりにも熱狂的でミーハーなのでちょっとひいてしまう」「ギターのシールドがつながってないのに音が鳴るのがインチキ臭い」「タータンチェックを誇張しすぎた衣装がヘン」などの意見が聞かれます。

でも、たとえ子供騙しだとしても、一つの多様性として、このようなグループの存在がちょっとだけあった方が世の中は楽しくなると私は思います(笑)

BCRの音楽スタイルは大きく分けて2つあります。

一つは、60年代のR&Bの名曲、あるいはR&B調の曲を、ファンキーな曲風を保ちつつもシンコペーションをあまり効かせないで軽くポップに歌い上げるというものです。おそらく、70年代の欧米におけるティーンエイジャーの女の子には、大人が聴くようなビートが効いたR&Bはちょっぴりヘヴィーであったと考えられ、軽いノリの方がクールに感じられたのではと推察します。

もう一つは、アイドル路線全開でティーンの青っぽい恋(笑)の歌詞が散りばめられた70年代ポップス調の曲をテレもなく歌い上げるものであり、彼らの大ヒット・アルバムのプロデューサーを務めた作曲家コンビのビル・マーティンとフィル・コウルターがいくつもこの手の楽曲を提供しています。

この記事では、この2つの路線が見事に表れている彼らの大ヒットアルバム、その名も"Bay City Rollers"の収録曲を順に紹介したいと思います。


Give a Little Love

全英No.1曲です。
先述したように、R&B調の曲をシンコペーションを効かせないで軽く歌い上げるというのが彼らの真骨頂です。

Bye Bye Baby

フォー・シーズンズのブルー・アイド・ソウルの名曲をカヴァーした全英No.1の大ヒット曲です。
独特のバックビートを感じるドラムのコテコテのおかずもBCRには欠かせない必須アイテムです(笑)
私はこの曲が一番好きですね。

Shang-A-Lang

ビル・マーティンとフィル・コウルターの作品です。ギターとベースの乾いたサウンドが特徴的です。
BCRの最大の弱点は、メンバーに優秀なソングライターがいなかったことに尽きます。

Marlena

この曲は数少ないメンバーのオリジナル曲です。
ちょっぴりポール・マッカートニーの影響を感じることができます。

Let's Go

ティーンのありがちな恋を歌ったアイドル路線まっしぐらの70年代ポップスです。

Be My Baby

ザ・ロネッツのR&Bの大ヒット曲のカヴァーです。
バック・コーラスが優れた曲をカヴァーするのもBCRの特徴です。

Summerlove Sensation

この動画はPVなのでツッコミいれるのもどうかと思いますが、スタジオでもライヴでも多くのケースでBCRのギターやベースにはシールドが存在しないんですよね(笑)。現在ならワイヤレス技術でどうにでもできますが、当時の多くのステージでは飾りでギター持っていたようです。このことから「演奏ができない疑惑」が浮上しましたが、実際にはそこそこできるようです(笑)

Remember (Sha La La La)

ビル・マーティンとフィル・コウルターの70年代風ポップスです。

Saturday Night

全米No.1の大ヒット曲です。
S-A-T-U-R-D-A-Y night! のブレイクの後に続くギターリフが結構好きです。
ヴォーカルのレスリー・マッコーエンの乾いた声もいいですね。

Saturday Night

別ヴァージョンのPVでレスリー・マッコーエンが延々とスネアとタムだけを叩いていますが、
シンバル音がいきなり聴こえたり、それだけでも楽しめる映像です(笑)

My Teenage Heart

少女の心をグッとつかんでしまう70年代風ポップスです。


Keep On Dancing

彼らのメジャー・デビュー曲です。ザ・ジェントリーズのファンキーなロックンロール曲のカヴァーです。



ビートルズの再来と呼ばれた彼らの人気は、ファンの少女たちの成長とともに落ちていきました。
ただ、このメロディアスなアルバムを聴く限り、たまに聴くにはなかなか捨てたもんじゃないと思う次第です。
彼らはある意味でプロ中のプロでした。