え、ショルティがブラームスを全集で残してたの?というのがまず驚きであった。あのメタリックでドライで金管がんがらの演奏スタイルで有名なそしてそのゆえに日本ではあまり人気がなかったショルティ。ブラームスは構造的であると同時にヨーロッパの抒情というかどこかしっとりとしたところがないと。。。という潜入感とショルティ・シカゴはあまりにもかけ離れている気がしたのだが、2番を聞いてみると、テンポもゆったり目で、弦も柔らかに歌わせている。1970年前半の録音のようではあるがもちろんオケは十分機能的ではあるがからからドライ、きんきらきんとは程とおい。

 セルやカラヤンのような非人間的、物質的、機能的音楽では決してない。

ウィーンフィルとのシューベルトグレートも同じようなかんじであるが、オケがウィーンフィルだけあって情緒性はより強く、ウィーンの音楽だ、と十分かんじられるもので、特に、ときにはうるさいくらいひつこく感じる終楽章さえ、ベームなどよりも聴き易いくらいである。

 ショルティ、忘れららマエストロ感はあるが再評価されてしかるべき人のようである。