1991年プラハのスメタナホールでドヴォルザークの生誕150年を記念したクーベリクを指揮者とした新世界のコンサートがあった。これはDENONからCD化され簡単に手に入る。しかし、実はこのコンサートは映像で記録されNHKで放送された。幸い私は録画していた。
もともとCDはいまいちの音質でその質のやや落ちる録音のせいのためにライブ録音にもかかわらず評価は低かった。
しかし録画の方ではやはり音質はわるいものの、CDとは別の音楽ではないかと思うほど、緊迫感のある稀有壮大な新世界が記録されていたのである。
テンポ変化、表情変化、よく歌う弦、そしてクーベリックに珍しいティンパニーの強打、強烈な連打!
壮絶な演奏である。チェコフィルも取りつかれたようにクーベリックの指揮に食らいついていく。
同じ演奏であっても媒体によって全く異なる演者の演奏のようになってしまうことがあるのである。
よく気を付けなければならない。