5月25日、鹿島槍麓の山小屋に到着したものの、誰かわからない先客が鍵をかけたまま出かけたらしく、中に入ることができない。じつは鍵のかからない窓が1か所ある。窓の位置が高く幅が狭いので、太っているとなかなか入るのが困難なのだ。ギャンブラーさんから「おまえ、いけ」と指名され、肩車されて頭から突入。さいわい山小屋の中は寝袋や毛布が敷かれたままになっていて、頭から突っ込み、飛び込み前転の形で侵入成功。減量していなかったら入れなかったな。中から鍵を開ける。

 ところがこんどは水が出ない。5月の大型連休後に来た人の情報だと水は出ているということだったが、あかんがな。近くの水源のタンクに蛇口があるので、大きなペットボトルを持って汲みに出かける。すると知らないおっさんが数人やってくる。隣の山小屋の人らしい。めったに出会うことはないのだが、先客の大学の現役学生らとともに、水源のタンク掃除を行ったらしい。タンクに水がたまらないと配水されないようだ。ひとまず原因がわかったので、ビールを飲みながら焚き火の準備。

 しばらくすると、出かけていた先客の学生が戻ってくる。6~7人いたのか。もう自分の子どもよりも若い世代で女子も一人いる。山小屋ワークといって、掃除をしたり、キツツキの穴を修理したり、物品を補充したりするのだが、俺たちの頃は夏休みに来ていたな。彼らは隣の山小屋の人たちに晩飯を誘われているらしく、出かけていく。こちらはギャンブラーさんの持参した米を炊き、晩飯である。あとは飲んで寝るだけである。焚き火を見ながら飲む。まだつづく。