無理だと思った。

絶対無理だと思った。

英語なんて必要ないと思ってた。

外国行かなければ使うこともないだろって思ってた。

だから逃げてきた。

英語から必死に逃げてきた。

高校の通知表。
10段階で4のときもあった。
最高でも6だった。

高3の冬。
センター試験も英語は壊滅だった。
無謀にも国立大を受けた。
2次試験の英語。
大問1の記号問題は勘で全部埋めた。
大問2の英文和訳は“Einstein”だけ何とか読めたので、
5行くらいあった解答欄に、
【アインシュタインは】
とだけ書いた。
大問3、4は白紙だった。
結局解答用紙には、
あてずっぽうに書いた、
【エ、イ、ウ・・・】
などの記号と
【アインシュタインは】
しか書かれて無かった。

それでも僕は堂々と、
受験番号と名前を書いて提出した。

それでもいいって思ってた。

だって僕は日本人だもの。




------第3話------



-初日-

Dさん「○×◎?△●▼」

とりあえず、インストールをやってるところを
見てればいい、と言われているらしい。
(↑全部This is a pen.に聞こえる)

一応メモの準備。
Dさんは一生懸命説明してくれてる。

Dさん「This is a pen. This is a pen.・・・」

泣きたくなってきた。



-2日目-

Dさん「Hi!!This is a pen!!」

どうやら今日は一緒にインストールを
やってみよう!と言ってるようだ。
(↑This is a pen.にも違いがあることがわかってきた)

作業自体はなんてことない。
1回やればほとんど覚えられた。
ただ、細かい部分やちょっとした部分を質問したかった。

カズ「あ~・・・ほわっと いず でぃす??」

Dさん「This is a pen!!」

・・・なんのこっちゃ。



-3日目-

Dさん「Hi!!Good morning!!」

カズ「Good morning Mr.D!」

あまりにも会話が成り立たないので、前日の夜、
本屋に言って、英和と和英がセットになっている辞書を買った!
そして、CD付の英会話の本も買った!
それを行き帰りの車の中で聞きはじめた!

ちゃちゃちゃちゃっ ちゃっちゃっちゃ~~~~~♪

カズはえんじにあレベル2に上がった!
英会話スキルが1上がった!
カズは【英会話中学生レベル】になった!
(タイムリーネタ?)

・・・というわけで、なんとなくだが、
Dさんの言ってることがつかめてきて、
聞きたいことも辞書をひきながら聞けるように
なってきた。

会話が少しずつ成立するようになると、
ここにいるのも苦じゃなくなっていた。
いや、むしろ英語で会話するのも楽しいんじゃん??
(It's 単純)





そんなこんなで、ぶーぶー言っときながら、
3日もすれば慣れてしまったカズ。
ゴキブリ並みの環境適応力で早くも緊張感が解けてきた。
・・・しかし、カズはまだ気付いていなかった。
なぜインド人が4人もいながら、カズがここに呼ばれたのか?
この先とんでもないプロジェクトが控えていることを
カズは知る由もなかった・・・。

次回 
へたれネットワークえんじにあ☆カズ☆ 第4話
【帰郷。そして、30kgの恐怖】


インド人の英語は、訛りがひどい・・・。