さて,[2]ですが,これは2問あって20点です.各問ごとに

「誤りの箇所を的確に指摘できて」 6点
「反例をあげて」 +4点

とすることにします.誤りの指摘が見当違いなら0点ですが,ややカスッテいるというときには3点つけることにします.

[2](1) ですが,これはV1の次元がn1だからといって,最初のv1,...のなかにその基底があるとはかぎらない,というのがその答です.反例はたとえば
3次元空間で,空間V1=x軸,V2=y軸,とするとV1+V2はxy平面で,たとえば(1,2,0),(3,4,0)はxy平面の基底ですが,(1,2,0),(3,4,0)のどちらもx軸には含まれません.

[2](2) ですが,これは(x,Ax)=(x,Bx) だからといってA=Bとはいえない,と言う点が誤りです.
反例としてはたとえば行列Cを「90度回転」とかにしておけば,いつでも(x,Cx)=0ですから,A=B+Cとかにすれば反例になります.このことは直交行列の特徴づけ(14章)のときに,講義で「この方法ではダメだよ」と言ってあったところなので,考えてみたひともいるかもしれませんね.(いないか?)