さて,長丁場ですが,[2]の採点を開始します.これは全射と単射の定義をきちんと論証できるか,という基本的な問題なので,難しさはないと思いますが,こういう証明を書く練習をしていないと時間を取ってしまって,他の問題が苦しくなりますね.

全射でないことをいうには,f(x,y,z)=(a,b,c)が解をもたないような(a,b,c)の組の存在(つまり反例を1つ指摘すればよい)を言えばよくて,単射出ないことはたとえばf(x,y,z)=(0,0,0)となる(x,y,z)が2つ以上あることをいえばいいわけです.これで10点.さて始めます.

採点を始めてみてちょっと悩んだのが「ランク落ちしているから単射でも全射でもない」という答案.もちろん数学的には正しいが,これはしかし「定義を直接用いることにより」という要請を満たしていない.0点にはしないが減点することにする.こういう答案を避けるためには線形写像にしなければよかったんだね.