さて,[1]の採点開始.軸を求めるところを解いている人は結構解いているようなので,少し安心する.

この問題は,具体的なu,vでやるよりも文字のままやってしまったほうが簡単な気がする.
(1)はまともに求めればいいので{{0,-1,0},{-1,0,0},{0,0,1}}
(2) u の転置を (tu)で書くことにすると,uの長さが1であることから (tu)u=1である.
X=E-2u(tu)より
X^2 = (E-2u(tu))(E-2u(tu))=E-4u(tu)+4u(tu)u(tu)=E-4u(tu)+4u(tu)=E
(3) uとwとが垂直なことから(tu)w=0
Xw=(E-2u(tu))w=w-2u(tu)w=w-2u・0 =w
(4) ||Xx||^2=(Xx,Xx)=((E-2u(tu))x,(E-2u(tu))x)=(x,x)-4(x,u(tu)x)+4(u(tu)x,u(tu)x)
ここで(u(tu)x,u(tu)x)=t(u(tu)x)u(tu)x=(tx)u(tu)u(tu)x=(tx)u(tu)x=(x,u(tu)x)
よって||Xx||^2=(x,x)=||x||^2
(5) (3) より(u,w)=0,(v,w)=0 ならば XYw=Xw=w であることが直ちにわかるので,これが軸方向と考えられる.よって「(u,w)=0,(v,w)=0をみたすようなw」
(6) (5)で得られるようなwについて,wを法線とするような平面はu,vをふくみ,かつu,vは平行ではないので,結局,XYuとuのなす角,XYvとvのなす角,が一致して一定であることを示せればよい.
(4)より||XYu||=||u||=1であるので,あとは(tu)v=(tv)u=(u,v)に注意して,
cos(XYuとuのなす角)=(XYu,u)=((E-2u(tu))(E-2v(tv))u,u)
=(u,u)-(2u(tu)u,u)-(2v(tv)u,u)+(4u(tu)v(tv)u,u)
=1-2-2((tu)v)(v,u)+4((tu)v)((tv)u)(u,u)
=-1+2(u,v)^2

cos(t)=(u,v) とおくと,cos(XYuとuのなす角)=-1+2cos^2(t)=cos(2t) である.同様にcos(XYvとvのなす角)=cos(2t)であるので,回転核は「u,vのなす角の2倍」である.(正しくは,uからみたXYuとvからみたXYvが同じ方向にまわっていることを示さなければいけないが.)最後はちょっと難しいとおもうが,こういう計算をしてみようと思いつくかどうかが問題で,計算自体の難しさはない.

余りに計算がうまくいくので「裏の理論」があるのではないかと想像する人もいると思うが,要するにXx=x-2u(tu)x=x-2(u,x)uなので,正射影と比べれば,これは「平面の面対称」であることが分かり,「平面の面対称を二つ合成すると回転になる」ということを知っていれば,どうと言うことはない事実なのである.