その恋は、数千数万年の時を越えて・・・・(その1) | 「光の騎士」のブログ

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KAZU・フォーステールのあっちやこっちのお話です

 思い出そう魂の記憶の奥底に眠ってしまった、はるかな太古。


その時代は、とても愛に満ちていた・・・。

長い歴史があった・・・。

人々や動物は、半霊半物質だった時もあるかもしれない。

 どんなに偉大な文明も、終盤がおとずれるのはなぜなのだろう・・・?


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 とても古い「ある時代」の話をしよう・・・。


 あるところに、市場や路地で果物の露店を出す物売りの家の息子がいた・・。

 何日も前から村はそわそわし、活気にあふれていた気がする。

それは、国中のお祭りで、大通りでパレードのようなものがあるからだった。


 少年は、物売りの手伝い。頭の上にカゴをのせ、大人たちの間をまわって売り歩いていた。

雑踏の中を人にぶつからずに、身軽にかわしながら・・・。


 埃っぽい道路わきに沢山の人だかりがあった。

背の高い大人たちの間から、ほんの少しだけパレードが見えた。


 その時ほんの一瞬だけど、お姫様の姿が見えたんだ。

とても小さな女の子、沢山の大人の中、ものおじもせず凛としていて笑顔がとても可愛かった。

同じ人間でこんな人がいるんだ・・・。とはじめて思ったような気がする。

 自分はツギハギだらけの服で泥とよごれまみれ。

急に恥ずかしく、悲しくなってしまった。9歳の頃だったと思う・・。


 家に帰って親父に「どうやったらお城に入れるの?」と聞くと「おまえにゃ、縁の無いところだ!」といわれて、ぶん殴られた。


 いつの時代も、子供たちは戦いごっこが好きで、僕たちもそうやって遊んだんだ。

僕はお姫様を守るために・・・と思って真剣だった。

剣は、ただの木の棒っきれだったけど・・・。


 

 国に戦が起こると戦力を増やすことが必要になる。

時々、若者の中から人材を集める。

 幼いころに見たあのお姫様に憧れていた僕は、ずっとこの機会をまっていたんだ。

 久しぶりに見たお姫様は、とても美しい少女に成長していた。

 ああ、やっと姿を見ることができた・・・。

だけど、17歳くらいの僕は、すばしっこいというだけで、まだ少年特有のなんだかひょろりとした頼りない姿だった・・・。


 若者たちの剣の指導にあたった者は、とても厳しく、しごきを生きがいにしているような男だった。

体力のないものは残れない・・・。

へばって倒れた者には容赦ない攻撃が加えられた。地獄のような苦しみだった。


 実戦同様に二手に分かれて競いあうこともあった。

練習用の(刃とぎをしていない)剣とはいえ、重くて、まともに食らうと骨もくだける。

皆が生きるのに、必死だった。

 強くなることであの姫様にいつか気づいてもらえる・・・。


 

 初めて駆り出された戦では、僕らはただの下っ端の兵隊でしかなかった。

先頭きって突っ込んでいくしかない。

親しい友も沢山死んだと思う。だけど、自分も生き残るには強くなるしかないんだ・・・。


 とても嬉しいことがあったんだ。

何度目かの戦さで僕らの隊の活躍が大勝利を収めた。


 謁見の広間によばれ、一人ずつ労いの言葉をいただいた。

そこには、あのお姫様もいたんだ。ドキドキして、誇らしく胸を張って立っていた。チラリとこちらを見るが、気づいてももらえていないことに、少しがっくりしたことを覚えている・・・。


 それからの剣の上達は速かった!!

もともと機敏に動けたのと動体視力が良かったのかもしれない。

相手の剣筋を読むことができたので、負けることはなかった。

 僕は、この城に来た時とは見違えるくらいの逞しい青年になり・・・、いつしか兵士のトップに立っていた・・・。


 王様にもその力と忠誠心を認められ、宮殿の中のある程度までは、自由に出入りすることができた。


 戦いの無い時は、お姫様の護衛の役目も仰せつかっていた。

幼いころに憧れたあの少女のそばにやっとくることができた・・・、騎士として。

 魂が震えるくらいの感動だったんだ。

 彼女のそばにいたい。ただそれだけのために、一生懸命に鍛えてきた。自分の人生のすべてをかけて・・・。

                                                       

                                   →(その2へつづく)