此処は生国魂(いくくにたま)神社。

季節は移ろい、時代はときと共に変わっ

てゆく。大阪の芸能とゆかりがある生国

魂(いくくにたま)神社にゆく。

 

神社は「いくたまさん」として呼ばれ、

7月11日(宵宮)、7月12日(本宮・渡

御)の生国魂祭は、は大阪三大夏祭りの

さきがけとしておこなわれる。

 

生国魂神社(表参道)

かつては、現在の大阪城の地にあったが、

秀吉の大坂城の築城されるときに、この

地の西成郡西高津村に遷される。

 

生国魂神社の表参道は谷町筋を渡り、新

歌舞伎座まで続いていた。

 

 

生国魂神社(天王寺区生玉町13-9)の表参道

 

参道両側には、多数の店舗が並び、縁日

(祭日)には、諸国よりの参詣者で賑わ

う。芝居小屋や見世物小屋が軒を連ね、

上方文化芸能の発祥の地として知られる。

 

八兵衛大明神(道頓堀中座)

北門の近くに八兵衛大明神がある。

道頓堀中座の閉館のときに劇場に祀られ

ていたのを遷す。

 


道頓堀中座にあった八兵衛大明神

 

「曽根崎心中」(近松門左衛門)

近松門左衛門の生玉社前の段から

始まる「曽根崎心中」の舞台となる。

天満屋の遊女おはつは大阪三十三所の観

音めぐりをし、生玉(いくだま)社の茶

屋にいる。そこへ平野屋の徳兵衛も得意

周りをし、生玉社で出合ったふたり。

徳兵衛一部始終をおはつに語る。

徳平衛は九平次ら五人連れに大衆の前で

打ちのめされ、面目を失う。徳平衛は自

害をほのめかしてそこを立ち去る。

 

イメージ 5

 

「曽根崎心中」の生田社前の段

 

井原西鶴「矢数俳諧」(南坊)

井原西鶴は、生玉社の南坊で、延宝8

(1680)年に一昼夜四千句の独吟矢

数の俳諧をつくった。

 

 

南坊址にある井原西鶴の銅像

 

織田作之助「夫婦善哉」

織田作之助の銅像が境内にある。

33年の生涯、「夫婦善哉」などの多くの

小説は庶民の生活を題材にした。

「生国魂神社の境内の巳さんの棲んで

いるといわれて怖くて近寄れなかった。」

樟(クスノキ)の老木があったり」と、

『木の都』に書く。

井原西鶴を師と仰ぎ、ジュリアン・ソレ

ルを友として上方文化に寄与する。

2013.10.26オダサク倶楽部が生誕

100年を記念に建立。

 

 

 

織田作之助の銅像

 

彦八まつり

いまも上方落語の祖である米沢彦八を顕

彰し、上方落語家が総出で「彦八まつり」

が催しされる。

 

生国魂神社(北門)

北門には八軒屋にあった石灯篭がある。

八軒屋は大坂・京都・伏見を結ぶ水上交通

の拠点として栄え、坂本竜馬をはじめ幕末

の志士らを照らした石灯篭がある。

八軒屋にあった石灯篭(萬延元年庚申

神楽月吉日建、1860年、陰暦11月)

 

 

北門前の八軒屋にあった石灯篭

 

千日前通り

北門前の真言坂を下ると千日前通り。

 

 

北門前の真言坂を下ると千日前通り

 

新歌舞伎座

御堂筋西側に、古い初代新歌舞伎座があった。

ここから御堂筋と交差する千日前通りにゆく。

 

 

御堂筋の初代・新歌舞伎座(難波3丁目交差点)

 

御堂筋と交差する千日前通りには阪神

高速の高架、千日前通りに来る。

 

 

 

御堂筋(初代新歌舞伎座右)と交差する高架下沿いの千日前通り

 

新歌舞伎座

芸能の神様を祀り、芸能とゆかりある生国

魂神社から、千日前通りの東に行くと、近

鉄上本町駅があり、近鉄百貨店の奥突き当

りのビル(6階)に新歌舞伎座がある。

 

 

新歌舞伎座(大阪上本町駅北側ビル・YUFURA6階)

 

 

 

新歌舞伎座(大阪市天王寺区上本町6丁目5番13号)

 

 

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