日が明けるのが遅くなった。

ホテルからコースに出かける。

絶好のゴルフ日和だった。

 

 

波乱万丈のゴルフだった。

何だか妙に過ぎ去ったことを想い、

ゴルフに集中できずにいた。

 

ペアマッチの大会があった。

男女ひと組のペアが、相手のペアと競う

競技であった。

 

 

一方の女性は、かつてぼくとつきあった

ことがある彼女だった。

同期で入社し、同じ部署で働く彼女と一

緒に新任研修会に参加するなどして好き

になっていた。

 

ある日、喫茶店の2階で彼女に「ぼくは、

結婚してくれませんか」と言ったが、そ

のとき、彼女には突然のことだったよう

だ。この後も彼女とは一緒に職場で顔を

つきあわせていた。

 

 

 

 

競技会が終わったあと、懇親会がもたれた。

成績発表があり、彼女のペアの彼はぼくより

成績がよく入賞をしていた。彼女はぼくに声

をかけにきてくれ「(ペアのかた)あなたの

奥さん?」と訊き、いいえ、ぼくの担当医だ

と応えた。

 

10年前のことが走馬灯のように浮かんでく

る。ぼくは、彼女と口づけをかわすどころ

か、手もにぎらず、求婚しているのである。

彼女は、その当時そこどころでなかった。

家業を継ぐために辞めたあとの彼女にすら

「どうですか」の声掛けすらしなかった。

要するに自己中で、相手の立場を考えられ

ない、もてない男の典型だった。

 

 

 

 

Enjoy Golf(ブギウギ)

朝ドラ「ブギウギ」をベッドで観ていた。

ぼくと似ていると想い、ゾキッとした。

男が好きな彼女に唐突に「あなたが好きで

す」と言い、女性に「いつか巡りあえるで

しょう」という言葉が返されていた。

別れ際に「また、どこかでお逢いするで

しょう」と言っていたが、歳をかさねて

その言葉の意味がわかる気がした。

 

あれから10年、この間にぼくは変わった。

担当女医がよく「あなたは、いったい何を

したいの」と尋ねられたとき、「ぼくは触

れたい」と、思ったことを率直に言えるよ

うになった。

が、これがが昂じていつのまにか性依存症

になり、いまは艶女医のもとで療養中であ

る。

 

今朝方、変な夢をみた。

女医がペアの彼と親しく歓談し、これに嫉

妬しているぼくがおり、それに上手くなり

彼を見返してやるというのだ。

季節の変わり目で気が変になってしまった

のだろうか。

季節は移り、時は流れてゆく。あわせて人

も変わっていくのだろう。今年のは秋は短

く、はや冬に移ろうとしている。

 

 

 

 

 

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