映画は『ラスト、コーション』(原

題:色・戒)は、2007年公開の映

画。

ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞

など受賞するが、激しい性描写で話

題になる。

 

映画「色・戒」

映画の原作は、中国の小説『惘然記』

(作:張愛玲)のなかの「色・戒」

を映画化する。

同年ヴェネツィア国際映画祭で金獅

子賞はじめ、中華民国の映画賞では、

最優秀の作品賞・監督賞・主演男優

賞(トニー・レオン)を受賞。

ところで、映画のなかでの激しい性

描写は、アメリカでは18歳未満禁止、

日本では自主規制R-18指定で、中国

では7分間短縮しての公開だった。

 

「色・戒」(ストーリー)

第二次世界大戦中。

映画の舞台は、日本軍占領下にある

香港と上海。

日本の傀儡政権・汪兆銘政権のもと

で、抗日組織を弾圧する特殊機関員

の男(役名・イー、俳優トニー・レ

オン)とこの男の暗殺をもくろむ女

工作員・スパイ(役名:ワン・チア

チ、俳優タン・ウエイ)の男と女の

物語。

 

「色・戒」(日中戦争)

日中戦争が起こる(1937年)。

 

 

 

 

日中戦争は激化する。

開始の翌年1938年に混乱する本土

から香港に逃れてきた女子大生・王

佳芝。

彼女は学友の誘いで、抗日運動を掲

げる劇団に入り、やがて抗日活動に

参加してゆく。

翌1939年かの女は抗日地下工作員

となり、特務機関の易(イー)を誘

惑をし、計画・実行するが失敗に終

わる。

 

 

 

 

失敗後、かの女は工作員としての訓

練を受けていた。

3年後の1942年。女は、上海の国民

党抗日組織から、再度、男の暗殺計

画の工作員として抜擢される。

「奴はずる賢く、用心深い」、一度

疑われたら命はないと思え、と言わ

れ、「必ずやりとげます」と断言。

 

男は特務機関の中心人物に昇進。

かの女は麦夫人になりすまし、かれ

の夫人と親しいあいだになり。

その館の彼の部屋に入ることなる。

 

 

 

男を誘惑する。

が、誘いに乗らず、逆にバンドで縛

られ、乱暴に、背後から激しくせめ

られるなど、尋常でないセックスを

体験することになった。

男は横たわった女を眺める。

 

 

 

 

これが、男と女のあいだに織りなす、

性愛のはじまりとなる。

 

 

 

男に近づけば、男は激しく女のから

だを求め、女はこれに酔いしれてゆ

く。

 

 

 

 

そのうちに、かの女は特殊機関員とし

ての彼にいつしか魅かれてゆく。

いっぽう男も今まで誰の言葉も、信じ

てこなかったが、女の言葉を信じたい

と思うようになる。

 

 

 

 

女は男を愛し、男は女を愛し、ふたり

は、激しいセックスをかわし、恍惚の

世界にしたる。

 

 

 

 

かれが危機一髪のときだった。

そのときかの女は、「あぶない!」

と声を発した。

のち逮捕された計画者のなかにかの

女の名があった。

彼は、その銃殺の刑の署名に印を押

す。完。

 

 

「色・戒」のモデル・鄭蘋茹

モデルは鄭蘋茹(てい ひんじょ)。

モデルとなった人物は、父親は中国人

で、母親が日本人。

鄭蘋茹は、抗日運動に身を投じ、中国

で近衛文麿(元首相)の長男・近衛文

隆と知り合う。

1939年6月4日に近衛暗殺事件があり、

陸軍幹部は近衛文隆を日本に送還させ、

ふたりの関係はここでおわる。

その後近衛は満州へ令状が下る。

その後彼女は重慶国民政府の特務機関

・中央統計局より重大な命を受ける。

それは、汪兆銘政権傘下の特工総部の

指導者・丁黙邨を暗殺せよというもの

であった。

彼女は丁に近づき、1939年12月21

日丁の暗殺計画を実行するも失敗に終

わる。林之江に捕らえられ上海郊外に

連行され銃殺される。

 

鄭蘋茹は美人で女工作員だった。

この映画『ラスト、コーション』は、

鄭蘋茹を世の中に最初にとりあげた

映画作品で、その後、映画はじめテ

レビ、ゲームなどで数多く登場する

ことになる。

 

 

 

 

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